本記事は個人による公開情報の整理を目的としたものであり、特定銘柄の購入・売却を勧誘するものではありません。株式投資には元本割れのリスクがあります。投資判断は必ずご自身の責任で、最新の公式IR情報・専門家の助言をもとに行ってください。本記事の情報による損失について、執筆者は一切の責任を負いません。詳細な免責事項はこちら
「名村造船所の決算ってどうだった?」「7014は配当が増えたって本当?」──。名村造船所(コード:7014)に注目している投資家や造船セクターを調査中の方は、気になっているのではないでしょうか。
本記事は2026年5月時点の最新情報をもとに、2025年3月期の決算内容・業績見通し・投資家目線のポイントをまとめます。
※本記事は2026年5月時点の公開情報(名村造船所IR・有価証券報告書・日本経済新聞等)に基づきます。数値は公表時点のものです。
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銘柄概要(企業情報)
- 企業名:株式会社名村造船所
- コード:7014(東証プライム)
- 事業内容:船舶海洋事業(新造・修繕)、鉄構事業
- 主要拠点:伊万里事業所(佐賀県)・函館どつく(北海道)・佐世保重工業(長崎県)
- 業界ポジション:複数拠点を持つ準大手造船企業。ハンディ型撒積運搬船で高い実績
名村造船所は佐賀県伊万里市に主力工場を置く準大手造船会社。函館どつく・佐世保重工業をグループに持ち、新造船から修繕・鉄構事業まで幅広く手がけています。ハンディサイズ撒積運搬船の連続建造で効率的な生産体制を構築しており、近年はLNG二元燃料船への対応も進めています。
2025年3月期 決算内容
決算発表日:2025年5月13日(火)
対象期間:2024年4月1日 ~ 2025年3月31日(本決算)
| 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | ||||
| 2024年3月期 | 135,006 | +8.8% | 16,493 | +71.9% | 20,007 | +76.0% |
| 2025年3月期 | 159,227 | +17.9% | 29,466 | +78.7% | 29,504 | +47.5% |
| 2026年3月期(予) | 158,000 | △0.8% | 21,000 | △28.7% | 21,000 | △28.8% |
| 年間配当額 | 配当性向 | |
| 2024年3月期 | 20円 | 6.9% |
| 2025年3月期 | 50円(+30円増配) | 13.2% |
| 2026年3月期(予) | 40円(△10円) | 18.5% |
売上高は1,592億円(前期比+17.9%)、営業利益は294億円(同+78.7%)と大幅な増収増益の好決算。営業利益率18.5%は造船業としては高水準です。配当も20円→50円へ30円の大幅増配となりました。ただし次期(2026/3期)は減益・減配予想と調整局面が見込まれます。
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良いトピックス/悪いトピックス
① 大幅な増収増益と高い利益率
売上高+17.9%、営業利益+78.7%、純利益+31.5%(262億円)と、いずれも大幅な増収増益を達成。主力の新造船事業・修繕船事業の好調に加え、円安効果とコスト削減が数値として表れました。
② 財務体質の大幅改善
純資産1,051億円(+252億円増)、自己資本比率50.0%(+4.6pt)と財務基盤がパワーアップ。現預金も901億円に増加し、成長投資余力を確保。ゼロエミ船補助金を活用した設備増強への期待も高まります。
③ 新造船受注残高の大幅積み上がり
受注残高3,940億円(+26.8%)と大きく積み上がり、今後3.5〜4年分の操業を確保。環境対応船・大型船の受注も進み、安定的な事業成長の基盤が整っています。
① 次期業績は大幅減益予想
2026年3月期の営業利益予想は210億円(△28.7%)、純利益150億円(△42.8%)と大幅な減益見通し。円高・材料費上昇・研究開発費増加・課税負担増など不安材料が重なる状況です。
② 修繕船・鉄構事業の受注残減少
修繕船事業の受注残高が53億円(△50.3%)、鉄構機械事業も54億円(△21.8%)と大幅減少。新造船以外の事業での受注確保が課題です。函館どつくをどう活用するかが今後問われます。
③ 為替リスクの顕在化
当期に為替差損7.9億円を計上。次期の想定為替レートは145円ですが、さらなる円高局面となれば利益率が一段と悪化するリスクは拭えません。
企業・業界の見通し
企業の取り組み
ハンディ型撒積運搬船の大量建造を軸に、LNG二元燃料船や大型撒積船も組み合わせたプロダクトミックス戦略で収益最大化を目指す方針。伊万里事業所に限らず函館どつく・佐世保重工業も含めた全社DX推進によるスマートファクトリー化も重点課題です。
人手不足問題は造船業界全体の課題であり、製造工程の自動化・省人化への取り組みが中長期的な競争力の鍵になります。名村造船所の成功事例が業界全体の参考になることを期待したいところです。
業界の見通し
主要造船所の船台は数年先まで埋まっており、日本の造船業界は当面堅調な市況が続く見込み。一方で、中国造船所が竣工量・受注量ともに世界シェア半数以上を占め国際競争が激化。日本勢は高付加価値船・環境対応船・品質での差別化が生き残りの鍵です。
米国通商政策やウクライナ情勢など地政学リスクも継続しており、今後はさらに競争と淘汰が進むと想定されます。各企業単位ではなく日本として造船業にどう向き合うかが試される局面です。
まとめ
- 売上高+17.9%・営業利益+78.7%の好決算──円安・連続建造効果・修繕好調が利益率18.5%という高水準を実現した。
- 配当が20円→50円へ大幅増配──増益を反映した株主還元の強化。ただし次期は40円へ減配予定で調整局面に入る。
- 受注残高3,940億円・3.5〜4年分確保──今後の売上基盤は盤石。環境対応船・大型船の受注も積み上がっている。
- 自己資本比率50%・現預金901億円と財務優良──成長投資余力が高く、ゼロエミ補助金活用での設備増強への期待も大きい。
- 次期は大幅減益(営業利益△28.7%)の調整局面──円高・コスト増の影響が本格化。次回Q1決算(2026年8月上旬)での収益動向が注目される。
2025年3月期は文句なしの好決算でした。受注残の積み上がりや財務基盤の強化など中長期的な成長期待を維持しつつも、次期の減益調整をどう乗り越えるかが名村造船所の真価が問われるポイントです。
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本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄への投資勧誘を目的としたものではありません。記載の数値は公開情報・推定値を含みます。最新情報は各社公式サイト・IR資料でご確認ください。記載内容に基づいて被ったいかなるトラブル・損失についても、情報提供者は一切の責任を負いません。


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