ぞうせんおじさんは将来のため?にボチボチですが投資をしています。
主にインデックス投資でS&P500をコツコツ買いつつ、たまーに起こる暴落時に高配当銘柄を仕込むのが基本スタイル。
※Xではチャートの形に妖艶な魅力を感じたフォトシンス(4379)を応援しています(*^^*)
仕事の関係で造船関連企業に関わる機会が多く、リアルタイムな生情報が入ってくるものの、造船企業に投資をしようと思ったことは一度もありませんでした。市況や為替で外部環境に振り回されすぎる業界で、安定とは縁遠い印象だったので・・・。
そんな中、株式会社三井E&S──「造船会社」というイメージは過去のもので、2025年に造船事業から完全撤退・舶用エンジンと港湾クレーンに事業集中した今、投資対象としてどう評価できるのか、2026年4月時点の最新データで確認してみました。
※本記事は2026年4月時点の公開情報(2025年3月期決算短信/2026年3月期Q2中間決算短信/株探・Yahoo!ファイナンス・東洋経済等)に基づきます。株価は変動するため最新値はYahoo!ファイナンス等でご確認ください。
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📖 この記事の目次(クリックでジャンプ)
〜 銘 柄 の 基 本 情 報 ・ ど ん な 会 社 ? 〜
- ✅ 1917年創業の旧・三井造船。2018年に持株会社化&社名変更、2025年に造船事業を常石造船へ譲渡し完全撤退
- ✅ 港湾クレーン(コンテナクレーン)で世界シェア2位(東洋経済報道)
- ✅ 大型舶用ディーゼルエンジンの累計製造6,500台超。LPG/LNG/メタノール/アンモニア対応で先行
- ✅ 艦艇事業は2022年に三菱重工へ譲渡済み
- ✅ 現在は「脱造船」で復活した重機械メーカーとして再評価が進む
〜 2025年3月期 → 2026年3月期Q2:何が起きているか 〜
2025年3月期実績(着地):脱造船で利益体質が一気に改善
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,019億円 | 3,151億円 | +4.4% |
| 営業利益 | 196億円 | 231億円 | +17.8% |
| 自己資本比率 | 約34% | 37.8% | 改善 |
| 年間配当 | 20円 | 20円 | 横ばい |
2025年3月期は舶用エンジンと港湾クレーンの好調で増収増益。脱炭素対応の次世代燃料エンジン需要と、世界的なコンテナ物流のクレーン更新需要を取り込み、利益体質が大きく改善しました。
2026年3月期:通期予想を上方修正、配当も20円→50円へ大幅増配
- 売上 2,531.83億円(▲19.7%/造船事業譲渡の影響)
- 営業利益 311.16億円(+34.7%)
- 親会社株主帰属純利益 253.83億円
- 年間配当 50円(中間15円+期末35円)/前期20円から大幅増配
2026年3月期は造船事業譲渡の影響で減収となる見込みですが、営業利益は過去最高水準まで伸びる見通し。「売上は縮むが、儲けは増える」という事業転換の成功シナリオがそのまま数字に現れています。
2025年11月に通期業績予想を上方修正し、合わせて年間配当を当初予想30円→50円へ引き上げ。1年で配当が2.5倍となる、株主還元姿勢の大転換が起きています。
2026年3月期 中間(Q2)の進捗
- 中間売上 1,655.48億円
- 中間受注高 1,459.78億円
- 中間期末 自己資本比率 43.0%(前期末37.8%から大幅改善)
中間期末で自己資本比率43%と、造船時代の「常に資金繰りが厳しい会社」というイメージから完全に脱却。財務体質の安全性も大きく改善しています。
〜 各 種 指 標 〜
配当:20円(2024)→20円(2025)→50円(2026予想に増配)
長く20円が続いてきた配当が、2026年3月期は一気に50円へ増配(年率+150%)。脱造船で利益体質が改善したことを受け、株主還元姿勢が明確に強まったタイミングです。
これまで「造船会社=配当に期待できない」という常識からの脱却を、株価・PER再評価の観点で意識しておきたいポイントです。
※配当性向=配当金支払総額÷当期純利益×100
EPS/PER/PBR/自己資本比率の見方
- EPS:脱造船で大きく改善。2026年3月期予想ベースでは過去最高水準。
- PER(会社予想ベース):上方修正後の利益で見ると割安感は薄いが、増配トレンドが続けば株価の再評価余地は十分。
- PBR:脱造船による財務改善で水準が切り上がってきている。市場の評価が見直し局面に入った可能性。
- 自己資本比率:37.8%→43.0%へ大幅改善。造船業時代から完全に別会社の財務体質に。
※指標解説
EPS:1株あたり純利益=当期純利益÷発行済株式総数
PER:株価収益率=株価÷EPS
PBR:株価純資産倍率=株価÷BPS(1株あたり純資産)
自己資本比率:総資本のうち純資産の占める割合
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〜 魅 力 ポ イ ン ト / 懸 念 事 項 〜
- 🟠 「脱造船」事業転換に成功──港湾クレーン世界シェア2位+次世代燃料エンジンの2本柱に集中
- 🟠 2026年3月期 営業利益311億(+34.7%)へ上方修正──過去最高水準
- 🟠 配当20円→50円へ大幅増配──株主還元姿勢が明確に転換
- 🟠 自己資本比率37.8%→43.0%へ改善──財務体質が大きく安定化
- 🟠 アンモニア・水素燃料エンジンで先行──脱炭素テーマの本命銘柄として再評価余地
- 🔵 2026年3月期は減収見通し──造船事業譲渡の反動で売上は▲19.7%
- 🔵 港湾クレーンは中国ZPMCと激しい価格競争──世界シェア争奪戦が継続
- 🔵 港湾物流市況・コンテナ取扱量に業績が連動──景気後退局面では受注減リスク
- 🔵 株価はすでに事業転換期待を相応に織り込み済み──割安銘柄ではなくモメンタム銘柄に
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〜 総 合 的 な 感 想 〜
- 「造船会社」と思って見ると評価を間違える銘柄
2025年に造船事業を完全撤退済み。今や港湾クレーン+舶用エンジンに集中する「重機械メーカー」であり、内海造船・名村造船所とは事業構造が大きく異なります。 - 事業転換が業績にしっかり表れている
営業利益+34.7%・配当20円→50円・自己資本比率43%──3つの数字すべてが改善している銘柄は、造船関連の中ではかなり珍しい存在です。 - ただし株価はもう「割安」ではない
事業転換の期待値はある程度織り込み済みのため、ここからは「期待を超える上振れ」が出るかどうかが株価ドライバーになります。
結論として、「造船から脱却して中期成長ストーリーが見える銘柄」として、内海造船・名村造船所より一段格上のポジションにいるというのが2026年4月時点の整理です。
長期保有を検討する造船関連銘柄を1つ選ぶなら、「脱造船」で財務・配当・利益の3点セットが改善した三井E&Sは有力候補になり得ます。
とはいえ、株価のモメンタムは強い局面なので、押し目を待ってからの分割買いのような慎重な入り方が無難そうです。これからも乱高下する株価を、対岸から眺め続けることになりそうです・・・(゜-゜)
中韓の造船・重機械企業と戦うには日本国内で消耗している場合ではありません。三井E&Sのような「事業選択と集中で復活した会社」がもっと出てくることで、日本の造船・重機械業界全体に光が当たる日を夢見て、これからも造船会社を訪れたいと思います。
出典・関連記事
- 三井E&S「2025年3月期 決算短信」
- 三井E&S「2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信」(2025/11/12)
- 三井E&S「2026年3月期 期末配当予想の修正に関するお知らせ」(2025/11/12)
- 東洋経済オンライン「”脱造船”で復活、三井E&S『クレーン事業』の凄み」
- 日本経済新聞「三井E&S、造船から完全撤退 常石造船に関係会社株譲渡」
- 株探(kabutan.jp)/Yahoo!ファイナンス/みんかぶ
- 関連記事:【株式投資】内海造船㈱の銘柄まとめ
- 関連記事:【株式投資】名村造船所㈱の銘柄まとめ
- 関連記事:日本の造船業界 再編マップ完全ガイド
本記載内容は情報提供を目的としており、売買を推奨したものではありません。いかなる内容も将来の運用成果を保証するものではなく、最終的な投資判断は各個人の判断・責任でお願いいたします。記載内容については細心の注意を払っていますが、記載内容の誤りや掲載情報に基づいて被ったいかなるトラブル、損失、損害について、情報提供者は一切の責任を負いません。
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