「造船株を買いたい。でも今治造船もJMUも上場していない」──そんなときの数少ない選択肢が、内海造船(7018)です。広島県尾道市の瀬戸田工場と因島工場で、フェリー・RORO船(貨物を車両ごと積み込む船)・輸送艦などを手がける中堅造船所で、筆頭株主は議決権の約4割を持つカナデビア(旧日立造船)。2026年9月には国の造船業再生基金の認定も受けました。株価は年初来で8,150円〜19,160円と値動きの大きい銘柄ですが、決算短信を読むと会社の業績予想がかなり控えめという、投資家なら知っておきたいクセが見えてきます。本記事では、決算短信など開示資料の原本を直接確認したうえで、事業・株価指標・業績・配当・注目テーマを造船・鉄鋼ブログの目線で徹底解説します。
数値はすべて一次資料ベース、投資スタンスに関わる部分は「個人的な意見」と明示して書き分けます。
※本記事は2026年10月2日終値時点の公開情報(内海造船「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」〔2026年8月6日発表〕、「2026年3月期 決算短信」〔2026年5月12日発表〕、「業績予想の修正に関するお知らせ」〔2025年10月10日〕、「配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」〔2026年2月4日〕、「支配株主等に関する事項について」〔2026年6月12日〕、第101回定時株主総会招集ご通知、Yahoo!ファイナンスほか)に基づきます。株価・指標は変動します。決算ごとに内容を更新予定です。
📖 この記事の目次(クリックでジャンプ)
- 1. 内海造船はどんな会社?──瀬戸内の2工場で「何でも造る」中堅造船
- 2. 株価と投資指標の現在地──PER約23倍・1単元130万円超の値がさ株
- 3. 業績──前期は営業利益2.2倍、今期は1Qで通期計画の8割超
- 4. 控えめな会社予想のクセ──前期は営業利益の予想が7億円→実績30.8億円
- 5. 配当──40円と100円を行き来する、配当性向7%台の超低配当
- 6. 受注残1,235億円と輸送艦──RORO船・防衛分野が柱に
- 7. カナデビア系という立ち位置と、再生基金43億円
- 8. 内海造船 vs 名村造船所 vs ジャパンエンジン──上場「造船株」3銘柄を比較
- 9. アナリストの視点──強みとリスク
- 10. よくある質問(FAQ)・まとめ
- 1. 内海造船はどんな会社?──瀬戸内の2工場で「何でも造る」中堅造船
- 2. 株価と投資指標の現在地──PER約23倍・1単元130万円超の値がさ株
- 3. 業績──前期は営業利益2.2倍、今期は1Qで通期計画の8割超
- 4. 控えめな会社予想のクセ──前期は営業利益の予想が7億円→実績30.8億円
- 5. 配当──40円と100円を行き来する、配当性向7%台の超低配当
- 6. 受注残1,235億円と輸送艦──RORO船・防衛分野が柱に
- 7. カナデビア系という立ち位置と、再生基金43億円
- 8. 内海造船 vs 名村造船所 vs ジャパンエンジン──上場「造船株」3銘柄を比較
- 9. アナリストの視点──強みとリスク
- 10. よくある質問(FAQ)・まとめ
1. 内海造船はどんな会社?──瀬戸内の2工場で「何でも造る」中堅造船
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名(証券コード) | 内海造船株式会社(7018・東証スタンダード) |
| 本社 | 広島県尾道市瀬戸田町 |
| 設立/上場 | 1944年11月22日設立/1974年11月上場 |
| 代表者 | 代表取締役社長 寺尾弘志 |
| 工場 | 瀬戸田工場・因島工場(いずれも広島県尾道市) |
| 事業 | 船舶事業(新造船・改修船)がほぼすべて。ほかに子会社・内海エンジニアリングの陸上・サービス事業 |
| 従業員 | 連結600名・単体548名(2026年3月31日・就業人員) |
| 筆頭株主 | カナデビア(議決権所有割合39.59%) |
内海造船の特徴は船種の幅広さです。招集通知の営業品目には、プロダクトキャリア、自動車運搬船、RORO船、コンテナ船、タンカー、フェリー、旅客船、作業船、調査船、艦艇、巡視船、漁船など、ほぼあらゆる船が並びます。会社は目標に「グローバルな競争時代を勝ち抜き、国内船建造シェアのさらなる拡大により造船業界のオールラウンダーとしての地位を確固たるものにしていく」ことを掲げています(招集通知)。2025年度はLNG燃料フェリーや輸送船などを含む9隻を引き渡し、改修船(修理・改造)も56隻を手がけました(2026年3月期決算短信・招集通知)。
売上のほぼすべて(2026年3月期で470億円中464億円)が船舶事業で、造船の純度が非常に高い銘柄です。会社の全体像や工場の雰囲気は、当ブログの内海造船の会社紹介でも紹介しています。社員の平均年収は685万円(2026年3月期の有価証券報告書ベース、Yahoo!ファイナンス)、平均年齢は41.6歳、平均勤続年数は15.6年です(招集通知)。他社との比較は造船・海運・重工の年収ランキング2026をどうぞ。
2. 株価と投資指標の現在地──PER約23倍・1単元130万円超の値がさ株
| 指標(2026年10月2日終値時点) | 数値 |
|---|---|
| 株価(終値) | 13,360円 |
| 最低投資金額(100株) | 133万6,000円 |
| 時価総額(Yahoo!ファイナンス) | 約301億円 |
| 予想PER(EPS590.05円) | 約22.6倍 |
| PBR(実績・Yahoo!ファイナンス) | 1.59倍 |
| 予想配当利回り(年40円) | 約0.30% |
| ROE(2026年3月期実績) | 18.9% |
| 自己資本比率(6月末) | 29.2% |
| 年初来高値/安値 | 19,160円(1月16日)/8,150円(6月11日) |
まず押さえたいのは1単元(100株)で130万円を超える値がさ株だという点です。会社は2026年5月に「投資単位の引下げに関する考え方及び方針等について」を開示し、投資単位の引下げ(株式分割など)は投資しやすい環境づくりに有効な施策の一つと認識しつつ、「今後の株式市場の動向や当社株式の株価水準、流動性、株主構成の変化等を考慮しながら、引き続き検討してまいります」としています。現時点で分割は決まっていません。
もう一つの特徴は、発行済株式225万3,000株のうち55万8,245株(約25%)が自己株式だということです(当ブログ計算)。Yahoo!ファイナンスの時価総額約301億円は自己株式を含む株数で計算したもので、自己株式を除いた株数(169万4,755株)で計算すると約226億円になります(当ブログ計算)。値動きは激しく、足元の13,360円は年初来高値から約30%下、安値から約64%上(当ブログ計算)。1日の値幅が大きくなりやすい、出来高の少ない小型株であることは頭に入れておきましょう(この読みは筆者の見立てです)。
財務面では、6月末の現金及び預金が約196億円と、借入金(約22億円)を大きく上回っています。ただし同じ時点で契約負債(船主から先に受け取った代金など)が約214億円あり、2026年3月期に営業キャッシュフローが約125億円の大幅プラスになった主な要因の一つも契約負債の増加(約51億円)でした(決算短信)。手元の現金の多くは、これから造る船の前受け金と見るのが自然で、「現金が多い=自由に使えるお金が多い」とは言い切れません(この一文は筆者の見立てです)。
3. 業績──前期は営業利益2.2倍、今期は1Qで通期計画の8割超
| 項目(連結) | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前期比 | 2027年3月期 1Q | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 446.5億円 | 470.2億円 | +5.3% | 125.9億円 | +23.5% |
| 営業利益 | 14.2億円 | 30.8億円 | +117.3% | 13.0億円 | +203.6% |
| 経常利益 | 11.8億円 | 30.0億円 | +155.0% | 13.1億円 | +219.8% |
| 純利益 | 10.2億円 | 23.0億円 | +125.9% | 8.9億円 | +124.0% |
| 1株当たり利益 | 600.56円 | 1,356.60円 | ─ | 523.04円 | ─ |
もう少し長い目で見ると、業績は年度ごとの波が大きいことが分かります。
| 年度(連結) | 受注高 | 売上高 | 経常利益 | 純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年度 | 505億円 | 376億円 | 6.4億円 | 7.4億円 |
| 2023年度 | 646億円 | 464億円 | 30.9億円 | 22.6億円 |
| 2024年度 | 485億円 | 446億円 | 11.8億円 | 10.2億円 |
| 2025年度 | 809億円 | 470億円 | 30.0億円 | 23.0億円 |
経常利益は、2023年度の約31億円→2024年度の約12億円→2025年度の約30億円と、1年おきに大きく振れています。配当が100円と40円を行き来しているのも、この利益の振れと重なります(次の章で詳しく)。2025年度の受注高809億円は売上高の約1.7倍で(当ブログ計算)、受注が売上を大きく上回った年でした。
2026年3月期は、新造船の売上対象隻数が13隻から17隻に増え、改造船工事の完工もあって増収。営業利益は2.2倍の30.8億円、営業利益率は6.5%でした。2027年3月期の第1四半期(4〜6月)も好調で、売上対象船は前年同期と同じ10隻ながら、船種の違いや工事進捗度の差に加え、円安で外貨建て工事の売上が増えたことが効き、営業利益は約3倍の12億9,500万円。営業利益率は約10.3%に上がりました(当ブログ計算)。
| 2027年3月期 通期予想(据え置き) | 金額 | 前期比 | 1Q時点の進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 460億円 | ▲2.2% | 約27% |
| 営業利益 | 16億円 | ▲48.0% | 約81% |
| 経常利益 | 15億円 | ▲50.0% | 約87% |
| 純利益 | 10億円 | ▲56.5% | 約89% |
通期予想は営業利益16億円(前期比48%減)と大幅減益ですが、第1四半期だけで営業利益は計画の約81%、純利益は約89%に達しています。それでも会社は、為替相場や、中東情勢による塗料やシンナーの入手状況をはじめとする資機材価格の見通しが不透明なことから、通期予想を変えていません(第1四半期決算短信)。
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4. 控えめな会社予想のクセ──前期は営業利益の予想が7億円→実績30.8億円
進捗率が8割を超えているのに予想を据え置く──これをどう読むか。参考になるのが前期(2026年3月期)の予想の推移です。開示資料を時系列に並べると、こうなります。
| 時点 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | 年間配当 |
|---|---|---|---|---|
| 当初予想(2025年5月12日) | 455億円 | 7億円 | 5億円 | 40円 |
| 上方修正(2025年10月10日) | 465億円 | 26億円 | 20億円 | 40円 |
| 配当予想の修正(2026年2月4日) | ─ | ─ | ─ | 100円 |
| 実績(2026年5月12日) | 470.2億円 | 30.8億円 | 23.0億円 | 100円 |
前期は、当初7億円だった営業利益の予想が、最終的に30.8億円(約4.4倍)で着地しました(当ブログ計算)。10月の上方修正の理由として会社は、上半期にドル円相場が円安傾向で推移したため外貨建て工事の売上高を見直したこと、足元の資機材価格の動向を踏まえた見直し、生産性向上と諸経費の削減を挙げています。配当も当初計画の40円から60円増やして100円にしました。
つまり内海造船は、為替や資機材価格を保守的に見積もって予想を出し、期中に上方修正していく傾向が、少なくとも前期にははっきり出ています。今期の予想(営業利益16億円・配当40円)も同じ構図だとすれば、上振れの余地がある──というのが自然な読み方です。ただし、為替が円高に振れたり、中東情勢で塗料などの調達がさらに難しくなったりすれば、話は変わります。前期の再現を前提にせず、四半期ごとの進捗を確認するのが堅実です(この章の後段は筆者の見立てです)。
5. 配当──40円と100円を行き来する、配当性向7%台の超低配当
| 決算期 | 年間配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2022年3月期 | 20円 | 23.7% |
| 2023年3月期 | 40円 | 9.2% |
| 2024年3月期 | 100円 | 7.5% |
| 2025年3月期 | 40円 | 6.7% |
| 2026年3月期 | 100円 | 7.4% |
| 2027年3月期(予想) | 40円 | 6.8% |
内海造船の配当は年1回の期末配当のみで、ここ数年は40円と100円を行き来しています。配当性向は7%前後と、上場企業の中でもかなり低い水準です。会社の基本方針は「安定的な利益を確保することにより、内部留保との調和をはかりながら、業績に裏付けられた成果の配分を行う」というもの(決算短信)。配当の下限を約束するようなルール(DOEなど)は示されていません。
予想配当40円での利回りは約0.30%、前期と同じ100円なら約0.75%です(当ブログ計算)。配当目当てで買う銘柄ではなく、業績の伸びと株価の上昇を狙う銘柄と位置づけるのが現実的です(この一文は筆者の見立てです)。
6. 受注残1,235億円と輸送艦──RORO船・防衛分野が柱に
2026年3月期の受注は、新造船9隻(RORO船、輸送艦)と修繕船などで803億円(前年度比67.4%増)。期末の受注残高は新造船25隻など1,343億円(同33.7%増)まで積み上がりました(決算短信)。一方、2027年3月期の第1四半期は新造船の新規受注がなく、修繕船などで16億円を受注。6月末の受注残高は1,235億円(前年同期比11.8%減)です。今期の売上予想460億円で割ると、約2.7年分の仕事を抱えている計算です(当ブログ計算)。
受注の中身で注目したいのが輸送艦です。日本海事新聞によると、内海造船は「ようこう」型輸送艦(LSV)と「にほんばれ」型輸送艦(LCU)を受注し、引き渡しが始まっています(2026年9月9日付1面)。これらは南西諸島などへの輸送を担う自衛隊海上輸送群向けの船で、同じ部隊向けにはJMUが輸送艇(MSV)1番艇「あかね」を9月に進水させています。総合重工でなくても、中堅の専業造船が防衛需要に参入している流れの代表例です(尾道造船の無人揚陸艇の例は無人揚陸艇の深読み解説も参照)。
一方で会社は、新造船市場について、新燃料の調達方法が定まらないことから「特に中小の船主においては、様子見の状況」が続いているとし、受注は「高船価であっても高い付加価値のある船舶を中心として、慎重に」行っていると説明しています(第1四半期決算短信)。量を追わず採算を選ぶ受注姿勢は利益率には効く一方、受注残が減る局面もあり得る点は押さえておきましょう。
7. カナデビア系という立ち位置と、再生基金43億円
内海造船を語るうえで欠かせないのがカナデビア(旧日立造船、7004)との関係です。2026年3月31日時点で、カナデビアは内海造船の議決権の39.59%を持つ「その他の関係会社」。内海造船によると、カナデビアとは主要な仕入先として原材料の購入などの取引があり(2025年度の取引額は約77億円)、因島工場はカナデビアから土地・建物などを借りて船を造っています。カナデビアからは取締役(非常勤)1名が就任しています。大株主の2位は広島銀行(持株比率4.98%)で、カナデビアの持株比率は39.37%です(招集通知、自己株式を控除して計算)。それでも会社は「独自に事業活動を行っており、一定の独立性は確保されていると考えております」としています(「支配株主等に関する事項について」)。
そのカナデビアは9月29日、日鉄エンジニアリングとの経営統合の協議を終えると発表しました(今週の必修ニュース)。この件が内海造船に与える影響は、現時点で両社から公表されていません。ただ、筆頭株主の経営戦略は持ち株の扱いにも関わり得るため、カナデビアが2027年春ごろの公表をめどに策定する次期中期経営計画は、内海造船の株主にとっても注目点です(後段は筆者の見立てです)。
国策との距離では、内海造船は2つの支援を受けています。1つは2026年9月11日に認定された造船業再生基金(最大約43億円)、もう1つはGX経済移行債を使ったゼロエミッション船等の建造促進事業(2025年1月採択、艤装プラットフォーム整備〔クレーン能力増強等〕で補助金交付内示額約9.0億円)です。別途、瀬戸田工場では総額27億円で160トン吊りの塔型クレーン2基を導入し、従来の60トン吊り2基を更新する計画も報じられています(2028年3月までに完了見通し、日刊工業新聞)。会社も「政府補助金を活用した設備投資を行いながら建造能力の拡大に努め」ると明記しています(2026年3月期決算短信)。基金の全体像は日本造船 補助金マップ、GX補助金の採択一覧はこちらで解説しています。
8. 内海造船 vs 名村造船所 vs ジャパンエンジン──上場「造船株」3銘柄を比較
今治造船・JMUなど大手が非上場の日本では、造船に直接投資できる上場銘柄は限られます。造船専業の2社(内海・名村)に、舶用エンジンのジャパンエンジン(J-ENG)を加えて比べます。
| 指標 | 内海造船(7018) | 名村造船所(7014) | ジャパンエンジン(6016) |
|---|---|---|---|
| 主力 | フェリー・RORO船・輸送艦 | 大型バルカー | 低速2スト舶用エンジン |
| 株価 | 13,360円 | 4,785円 | 12,190円(10月1日) |
| 時価総額 | 約301億円 | 約3,328億円 | 約1,024億円 |
| 予想PER | 22.64倍 | 15.11倍 | 20.40倍 |
| PBR(実績) | 1.59倍 | 2.41倍 | 5.33倍 |
| 予想配当利回り | 0.30% | 1.25% | 0.82% |
| 最低購入代金 | 約133.6万円 | 約47.9万円 | 約121.9万円 |
| 再生基金の認定(最大) | 約43億円 | 約499億円(函館どつくと共同) | ─ |
内海造船は3銘柄の中でPBRが最も低い一方、時価総額は最小で、配当利回りも最低です。名村は「造船株の入り口」として購入ハードルと利回りのバランスが良く、J-ENGは水素エンジンなどのテーマ性が強い代わりにPBRは5倍超。内海造船はフェリー・RORO船・輸送艦という国内・官公庁向けの船種に強い、小粒で割安感のある銘柄という位置づけです(この整理は筆者の見立てです)。各社の詳しい解説は名村造船所(7014)の銘柄ガイド・ジャパンエンジン(6016)の銘柄ガイドをどうぞ。
9. アナリストの視点──強みとリスク
※ここから先は、公開情報をもとにした筆者の個人的な意見・見立てです。投資判断はご自身の責任でお願いします。
内海造船の投資ストーリーは控えめな会社予想と、国策による設備増強です。PBR1.6倍弱と上場造船株の中では割安感があり、前期は予想の4倍超の利益で着地しました。今期も1Qで計画の8割超。そこに再生基金とGX補助金による設備増強、輸送艦という新しい柱が乗ります。個人的なスタンスは「中立」。業績の上振れ余地は魅力ですが、配当がほとんど期待できず、1単元130万円超で出来高も少ない小型株であることを考えると、ポートフォリオの主役ではなく、造船セクターの「2銘柄目」として検討するのが筋だと考えています。
- 為替の感応度──1Qの増益には円安による外貨建て工事の売上増が効いている。円高反転は逆風
- 資機材の調達──会社自身が中東情勢による塗料・シンナーの入手状況を不透明要因に挙げている
- 受注残の減少──6月末の受注残は前年同期比11.8%減。慎重な受注姿勢が続けば、数年後の売上が細る可能性
- 流動性と値幅──1単元130万円超、自己株式が約25%で市場に出回る株は少なめ。年初来で8,150円〜19,160円と値幅が大きい
- 筆頭株主の動向──カナデビアの戦略次第で持ち株や取引関係が変わる可能性。因島工場の土地・建物も同社からの賃借
10. よくある質問(FAQ)・まとめ
Q. 内海造船の株価は今いくら?
A. 2026年10月2日終値で13,360円です。年初来では8,150円〜19,160円と値幅の大きい銘柄です。
Q. 何株から・いくらから買える?
A. 単元は100株で、約133万6,000円から購入できます(10月2日終値ベース)。証券会社によっては1株単位(約13,360円)から買える単元未満株サービスもあります。株式分割など投資単位の引下げは、会社が「引き続き検討」としている段階です。
Q. 配当はいくらもらえる?
A. 2027年3月期の予想は年40円(期末のみ)で、100株なら年4,000円(税引前)です。前期は当初40円の予想を100円に増配しましたが、今期も同じになるとは限りません。
Q. カナデビアとはどんな関係?
A. カナデビアは議決権の39.59%を持つ筆頭株主で、主要な仕入先でもあります。因島工場の土地・建物はカナデビアから借りています。
Q. NISAで買える?
A. 東証スタンダード上場の個別株なので、新NISAの成長投資枠で購入できます(つみたて投資枠は投資信託等が対象のため個別株は不可)。
Q. 今治造船やJMUの株は買えないの?
A. 今治造船・JMUはいずれも非上場のため、株式市場では買えません(今治造船の株は買える?・JMUの株は買える?)。
- 内海造船は瀬戸内の2工場で幅広い船を造る中堅造船──売上のほぼすべてが船舶事業、筆頭株主はカナデビア(議決権39.59%)
- 前期は営業利益2.2倍、今期は1Qで計画の8割超──円安と船種構成が追い風。通期予想は据え置き
- 控えめな会社予想のクセ──前期は営業利益の当初予想7億円→実績30.8億円、配当も40円→100円
- 配当性向7%台の超低配当──予想利回り0.30%。配当より業績と株価の伸びを狙う銘柄
- 受注残1,235億円・輸送艦と国策支援──再生基金43億円、GX補助金、瀬戸田工場のクレーン更新で設備増強
- スタンスは「中立」──PBR1.6倍弱の割安感と上振れ余地は魅力。ただし値がさ・低流動性・為替に注意(筆者の意見)
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本記事の出典:内海造船「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年8月6日発表)、「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年5月12日発表)、「業績予想の修正に関するお知らせ」(2025年10月10日)、「配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」(2026年2月4日)、「投資単位の引下げに関する考え方及び方針等について」(2026年5月12日)、「支配株主等に関する事項について」(2026年6月12日)、「第101回定時株主総会招集ご通知」(いずれもPDF原本を直接確認)。Yahoo!ファイナンス(証券コード照合・株価・時価総額・PBR・年初来高安・企業情報、内海造船7018/名村造船所7014/ジャパンエンジンコーポレーション6016、2026年10月2日時点)、IR BANK(配当履歴)、日本海事新聞 電子版(輸送艦の受注〔9月9日付〕、造船業再生基金の認定〔9月7日・14日付〕)、ゼロエミッション船等の建造促進事業 事務局の採択事業者リスト、日刊工業新聞(瀬戸田工場のクレーン更新)。PER・利回り・進捗率・営業利益率・自己株式比率・受注残の年数換算・騰落率は上記数値からの当ブログの単純計算です。
本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄への投資勧誘を目的としたものではありません。「アナリストの視点」の章は筆者の個人的な意見であり、将来の株価・業績を保証するものではありません。記載の数値は公表・閲覧時点のものです。投資の際は必ず最新の公式IR資料をご確認のうえ、ご自身の判断で行ってください。記載内容に基づいて被ったいかなるトラブル・損失についても、情報提供者は一切の責任を負いません。

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