本記事は個人による公開情報の整理を目的としたものであり、特定銘柄の購入・売却を勧誘するものではありません。株式投資には元本割れのリスクがあります。投資判断は必ずご自身の責任で、最新の公式IR情報・専門家の助言をもとに行ってください。本記事の情報による損失について、執筆者は一切の責任を負いません。詳細な免責事項はこちら
「造船関連株って今どの銘柄を見ればいいの?」「防衛関連株のうち造船・舶用は何が動いている?」「自律運航や脱炭素で恩恵を受ける銘柄は?」──そんな疑問を持つ方が増えています。
本記事は2026年5月時点の各社決算短信・公開情報(日本船舶輸出組合、日本船舶海洋工学会、海事プレス、日本海事新聞等)をもとに、造船関連株の主要銘柄を「防衛」「LNG・環境船」「自律運航」「脱炭素」の4テーマで整理。業績ハイライト・配当・テーマ別注目度・リスクまで、一次情報ベースで包括的に解説します。
※本記事は2026年5月時点の公開情報に基づき、2026年7月11日に最新動向を追記しました。数値は決算短信・公表値で、今後変更される可能性があります。最新情報は各社公式IRでご確認ください。
🆕 最新動向アップデート(2026年7月11日追記)
- 川崎重工(7012)が約1,937億円を調達──坂出工場の次世代エネルギー船建造体制の強化へ。JERA向けアンモニア輸送船(VLGC型)4隻の受注も判明し、テーマ②(次世代燃料船)の中核銘柄であることが一段と鮮明に(7月2日発表・日本海事新聞 7月10日付)
- LNG船国内建造は「同志国連携」が焦点に──韓国・フランスとの連携が想定され、8月末の概算要求に向けた支援策の具体化が政策テーマの主役になります(同 7月10日付)
- 内海造船(7018)は因島工場で40型バルカーが竣工──フェリー・RORO船に強い中堅上場造船の着実な引き渡しが続きます(同 7月9日付)
→ 週ごとの動きは造船・舶用の必修ニュース(2026年7月第2週)で詳しく解説しています。
📖 この記事の目次(クリックでジャンプ)
- 結論先取り:2026年の造船関連株は「4つのテーマ」で読む
- 現状を数字で:受注3.5年分・主要各社が過去最高水準
- テーマ①:防衛・艦艇輸出関連株
- テーマ②:LNG・アンモニア燃料船 関連株
- テーマ③:自律運航船(MEGURI2040・げんぶ)関連株
- テーマ④:脱炭素・GX関連株
- 主要銘柄の業績・配当一覧(2026年3月期実績)
- リスク・注意点
- よくある質問(FAQ)
- 業界研究と銘柄チェックの進め方
- まとめ
結論先取り:2026年の造船関連株は「4つのテーマ」で読む
結論から言うと、2026年の造船関連株は「防衛・艦艇輸出」「LNG・アンモニア燃料船」「自律運航」「脱炭素・GX」の4テーマで動いています。手持ち工事量約3.5年分の構造的好況を背景に、主要各社が2026年3月期に過去最高水準の決算を出した1年でもありました。
- 業界全体:手持ち工事量約3.5年分、2030年度納期がじわり拡大、主要各社が過去最高水準
- テーマ①防衛:三菱重工が豪州FFM契約・新型FFM追加受注で防衛事業の成長軸が確立
- テーマ②LNG・アンモニア燃料船:川崎重工・三井E&S・J-ENGが受注残や開発で先行
- テーマ③自律運航:SOY2025大賞「げんぶ」(旭洋造船)でMEGURI2040が実証段階に
- テーマ④脱炭素:常石「天歐」(水素混焼)など環境対応船の競争軸が顕在化
現状を数字で:受注3.5年分・主要各社が過去最高水準
テーマに入る前に、業界全体の足元の数字を押さえます。
- 2026年4月の新造船受注:16隻・66万総トン(トン数ベースで前年同月比+6%、隻数は3隻減)
- 納期別内訳:28年度50%・29年度39%・30年度11%(2030年度納期がじわり拡大)
- 手持ち工事量:604隻・2,922万GT(直近の年間竣工量ベースで約3.5年分)
「数年先まで仕事が確保されている」という構造的好況は、銘柄選定の前提として極めて重要です。詳しくは造船業界の将来性は?2026年最新版もご覧ください。
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テーマ①:防衛・艦艇輸出関連株
2026年に最も大きな構造変化が起きたのが防衛・艦艇分野です。三菱重工業を中心に、戦後初の本格的な艦艇輸出が動き出しました。
| 銘柄 | コード | テーマ別ハイライト |
|---|---|---|
| 三菱重工業 | 7011 | 豪州フリゲート全11隻(日本建造3+豪州建造8、先行3隻は2026年4月に長崎で契約)/新型FFM 3隻追加受注 約1,286億円 |
| JMU(今治造船グループ) | 非上場 | 新型FFM 3〜5番艦のうち1隻を担当。今治造船の連結先 |
| 名村造船所 | 7014 | 佐世保重工業を子会社化、艦艇修繕に強み |
| 三井E&S | 7003 | 千葉工場で艦艇関連事業 |
詳細は戦後初の艦艇輸出・三菱重工×豪州「もがみ型」もご覧ください。ニュージーランドのペンク国防相も日本の新型FFMの導入意向を表明(2026年5月)するなど、防衛輸出は今後さらに広がる可能性があります。
テーマ②:LNG・アンモニア燃料船 関連株
世界の海運は2050年カーボンニュートラルに向けLNG・アンモニア・水素などの代替燃料船への代替需要が長期で続きます。
| 銘柄 | コード | テーマ別ハイライト |
|---|---|---|
| 川崎重工業 | 7012 | 船舶海洋部門でLPG運搬船受注残10隻、LNG燃料船にも強み |
| 三井E&S | 7003 | 舶用推進システム+94%(2026年3月期)、次世代燃料エンジンに注力 |
| ジャパンエンジン(J-ENG) | 6016 | 大型船舶用主機「UEエンジン」、次世代アンモニア・水素燃料エンジンを中計の柱に |
| 三菱重工業 | 7011 | 三菱造船でLNG船建造技術維持に向けたエンジニアリング事業 |
LNG船国内建造再開は政府ワーキンググループで議論が継続中(2026年3月に第2回会合)です。今治造船西条の20万9,000重量トン型LNG燃料ケープサイズバルカー「RURI PLANET」のような実船竣工も2026年5月に相次いでいます。
テーマ③:自律運航船(MEGURI2040・げんぶ)関連株
2026年5月14日にシップ・オブ・ザ・イヤー2025(SOY2025)大賞に選ばれたのが、定期航路で自動運航レベル4相当の商用運航を世界で初めて実現した696TEU型内航コンテナ船「げんぶ」(旭洋造船建造)です。
- 旭洋造船(非上場):「げんぶ」を建造、SOY2025大賞
- シーグローブ(船主)/鈴与海運(運航)/イコーズ(船舶管理):「げんぶ」の事業体制
- 日本財団「MEGURI2040」第2フェーズの旗船として運航
- 関連技術プレイヤー:古野電気(6814)等の舶用電子機器メーカー
船員不足・物流2024年問題への解として、自律運航は日本が世界をリードできる領域です。詳細は造船業界 今週の動き 2026年5月中旬(SOY2025解説)もご覧ください。
テーマ④:脱炭素・GX関連株
政府の造船業再生基金(10年間で3,500億円規模)とGX移行債などが、脱炭素設備投資を後押ししています。
- 常石グループ(造船・神原汽船等):水素混焼エンジン搭載タグボート「天歐」がSOY2025技術特別賞
- J-ENG(6016):次世代アンモニア・水素燃料エンジン
- 川崎重工業(7012):LPG/アンモニア運搬船受注残10隻
- 政府支援:造船業再生基金10年で3,500億円(25年度補正で約120億円規模が立上げ)、2035年に外航貨物船の国内建造能力を現在の2倍(1,800万総トン)目標
主要銘柄の業績・配当一覧(2026年3月期実績)
2026年3月期決算の確定値を、主要銘柄横並びで整理します。
| 銘柄 | コード | 主要指標(2026/3期実績) | 株主還元など |
|---|---|---|---|
| 三菱重工業 | 7011 | 売上4.97兆円/純利益3,321億円(+35%)過去最高 | 豪州FFM・防衛・原子力 |
| 川崎重工業 | 7012 | 事業利益1,451億円で過去最高/LPG運搬船受注残10隻 | 2026年4月に1→5株式分割実施 |
| IHI | 7013 | 売上1兆6,434億円/親会社帰属当期利益1,610億円(+42.8%) | 2025年10月に1→7株式分割実施 |
| 名村造船所 | 7014 | 経常利益295億円で過去最高/新造船受注残4,221億円 | 27年は10円増配の60円予想 |
| 三井E&S | 7003 | 営業利益+62.7%/舶用推進+94%/港湾クレーン+134% | 配当 当初予想50円→確定57円(+7円増額)/28年度営業益420億円目標 |
| ジャパンエンジン | 6016 | 経常利益64.33億円(+18.7%) | 2024年10月に1→3株式分割実施 |
各社の詳細な決算速報は決算・銘柄まとめカテゴリにまとめています。株式分割をまたぐ配当の単純比較には注意が必要で、必ず分割後ベースで読むのが安全です。
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リスク・注意点
良い数字ばかりではありません。投資判断の前に、構造的リスクを並べておきます。
- 中韓造船との量の競争:建造量シェアでは引き続き劣後。汎用船種では価格競争が続く
- サプライチェーンリスク:中東情勢由来の資機材調達難・納期遅延の可能性(試運転燃料・塗料・シンナー等が不足、フォースマジュール条項の議論も)
- 受注サイクルの宿命:海運市況・世界経済の波で受注は循環的に変動
- 株式分割が相次ぐ:川崎重工・IHI・J-ENGなどで配当・EPSの単純比較に注意
よくある質問(FAQ)
Q1. 造船関連株とは?
A. 造船・舶用エンジン・舶用機器・船舶解撤などの船づくり関連事業を主力とする企業の株式を指します。狭義では商船・艦艇を建造する造船所、広義では舶用エンジン・電子機器・部品メーカーまで含みます。
Q2. 防衛関連株として最有力の造船銘柄は?
A. 上場銘柄では三菱重工業(7011)が代表格です。豪州フリゲート全11隻のうち日本建造3隻の先行契約を2026年4月に長崎造船所で締結。新型FFM(もがみ型能力向上型)の3隻追加受注(約1,286億円)も2026年2月に契約済みです。
Q3. LNG船・アンモニア燃料船で動く銘柄は?
A. 川崎重工業(7012)はLPG運搬船受注残10隻で先行、ジャパンエンジン(6016)は次世代アンモニア・水素燃料エンジン開発を中計の柱に据えています。三井E&S(7003)は舶用推進システムが+94%増。
Q4. 自律運航船で関連する銘柄は?
A. SOY2025大賞の「げんぶ」を建造した旭洋造船は非上場ですが、関連する舶用電子機器では古野電気(6814)などが上場しています(舶用電装のBEMAC=旧渦潮電機は非上場)。日本財団の「MEGURI2040」プロジェクトに参画する企業群も中長期で恩恵を受ける可能性があります。
Q5. 造船関連株の配当利回りは?
A. 各社で大きく異なります。三菱重工・川崎重工・IHIは2025〜2026年に株式分割を実施しているため、利回りを見る際は分割後ベースで計算が必要です。具体的な利回りは株価変動で変わるため、各社IRと最新株価で確認してください。
Q6. 造船関連株を買うとき、どの証券会社で口座開設すべき?
A. 銘柄分析を読みながら少しずつ買い増したい個人投資家には少額手数料が無料の松井証券、ポイントで投資できる楽天証券、差別化志向ならDMM 株などの選択肢があります。詳細は記事末尾の証券口座セクションを参照してください。
業界研究と銘柄チェックの進め方
造船関連株は受注残・テーマ・株式分割・地政学を同時に追う必要があり、情報のキャッチアップが鍵です。
- 業界全体の現状を押さえる(受注残・納期・主要テーマ)
- テーマ別に3〜5銘柄に絞る(防衛・LNG・自律運航・脱炭素)
- 各社の決算短信PDF原本を直読して数字を確認
- 当ブログの決算・銘柄まとめカテゴリで要点整理を併用
- 毎週の業界動向は業界人の必修ニュースシリーズでキャッチアップ
こうした銘柄をチェックするとき、ぞうせんおじさんが率直におすすめできる証券口座を3つご紹介します。
一番のおすすめは楽天証券。楽天ポイントで投資できて取扱い銘柄も豊富、手数料も業界トップクラスの安さで、初心者から中級者まで間違いのない選択です。
「みんなと同じはちょっと…」という方にはDMM 株。シンプルな手数料体系と独自のサービスで、人と違う口座を持ちたい方にぴったりです。
そして、松井証券公式チャンネルに出演する投資家テスタさんでも知られる松井証券。1日の約定代金合計50万円以下なら買付手数料が無料で、少額からコツコツ派にも合います。
複数開設して銘柄・タイミングで使い分けると、買いたい時を逃しません。
- 📄 各社2026年3月期決算短信PDF(三菱重工・川崎重工・IHI・名村造船所・三井E&S・J-ENG)
- 🌐 日本船舶輸出組合(JSEA)月次統計(2026年5月14日発表の4月実績)
- 🌐 日本船舶海洋工学会 シップ・オブ・ザ・イヤー公式(SOY2025は2026/5/14発表)
- 📰 日本海事新聞・海事プレスONLINE 各報道
- 🏛 経済産業省・国土交通省・防衛省 関連発表資料
まとめ
- 造船関連株は4テーマで読む──防衛/LNG・アンモニア/自律運航/脱炭素・GX。
- 業界は構造的好況──手持ち工事量約3.5年分、主要各社が過去最高水準を更新。
- 主要銘柄──三菱重工(7011)・川崎重工(7012)・IHI(7013)・名村造船所(7014)・三井E&S(7003)・J-ENG(6016)。
- 株式分割が相次ぐ──川崎重工・IHI・J-ENGの配当・EPSは分割後ベースで比較を。
- リスクも冷静に──中韓の量・サプライチェーン(中東情勢)・サイクルの宿命を織り込む。
「造船関連株はオワコン」というイメージで判断するにはもったいない局面です。数字と一次情報で見れば、4つのテーマが同時に走っている稀有な状態にあります。各社の動きや最新トピックスは当ブログで継続的に整理していますので、気になった方は決算・銘柄まとめもあわせてご覧ください。
本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄への投資勧誘を目的としたものではありません。数値は2026年5月時点の公表値・PDF直読の決算短信に基づく確定値です。今後変更される可能性があります。最新情報は各社公式IR・適時開示でご確認ください。投資判断は読者ご自身の責任で、専門家への相談もご検討ください。記載内容に基づいて被ったいかなるトラブル・損失についても、情報提供者は一切の責任を負いません。


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