造船企業は瀬戸内ばかりではありません。
九州地区にも魅力的な造船会社があるんです!その名も「旭洋造船」
2024年3月、なんと日本で73年ぶりとなる新造捕鯨母船「関鯨丸(かんげいまる)」を竣工させた、世界的にも話題の会社です。
この記事を読めば、九州下関で「一隻入魂」のスタイルを貫く旭洋造船の会社概要・最新トピックス(2024〜2025年)・直近の動向まで、最新情報ベースで完全ガイドします♪
※本記事は2026年4月時点の公表情報に基づき、業界紙・公式サイト・業界団体資料を一次情報として確認できた事項を中心に整理しています。
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📖 この記事の目次(クリックでジャンプ)
〜会 社 情 報〜
・会 社 名:旭洋造船株式会社
・ふりがな:きょくようぞうせんかぶしきかいしゃ
・代 表 者:越智 勝彦(おち かつひこ)代表取締役社長
・U R L:https://www.kyokuyoshipyard.com/
・本 社:山口県下関市長府港町8-7(工場)
・他 拠 点:なし
・親 会 社:ストレイツホールディングス株式会社
関係会社が掴みづらい会社です・・・(T_T)/~
船の修繕業は分社化せず、新造船と同じ工場内で行っています。
越智社長が代表を務める他社として「ストレイツインベストメント㈱」「ストレイツキャピタル㈱」があり、いずれもストレイツHDグループ。社名から推測する限り投資・船貸渡業・経営支援系の事業を行っているようで、2024年の社長年頭あいさつでは海外子会社で初の定期傭船事業の売却益達成や、出資先企業の急速な企業価値向上といった成果が紹介されていました。
〜会 社 の 特 長〜
比較的小規模な造船所である旭洋造船は、他造船所が進めるスケールメリット型のコストダウンとは違う道を選び、「一隻入魂」スタイルで特殊船・高付加価値船に活路を見出しています。
過去には史上最大級の内航コンテナ船や、2010年度にシップ・オブ・ザ・イヤーを受賞した球状船首のPCC(CITY OF ST.PETERSBURG)など、技術的に尖った実績を積み上げてきました。
同型船の連続建造で利益を確保しつつ、特殊船で技術力を磨く──このバランスで業績は安定傾向です。
過去には会社更生法の申請で厳しい時期もあったものの、現在は健全な経営状態を取り戻しており、十分な技術力と経営体力を持つ企業と評価できます。
〜事 業 内 容〜
冷凍船(リーファー)・コンテナ船・各種運搬船・ガス運搬船などの建造を主とし、同工場内で修繕業も行っています。直近では内航コンテナ船の建造が増加傾向。関連会社が無いに等しく、造船業1本に集中している点は強みでもあります。
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〜職場環境への投資〜
製造業は3Kと言われ人材確保が難しい業界。だからこそ職場環境の整備は事業継続のための最重要課題です。
旭洋造船は定期的な職場環境改善を実施している企業です。
・2012年 本社新社屋建設
・2014年 独身寮新設/住宅費補助制度の開始/社員食堂のリニューアル
・2015年 内業工場の設備一新
・2020年 事務所棟の新設/配管倉庫の新設
今後も様々な面で設備投資を続け、環境改善や業務効率化を進めると見られます。
「製造業の3Kなんて昔の話」──そう言える時代が訪れるのは時間の問題かもしれません!
〜最大のトピックス:関鯨丸(73年ぶりの新造捕鯨母船)〜
旭洋造船を語るうえで外せない最大のトピックスが、
「日本で73年ぶりとなる新造捕鯨母船 関鯨丸」
です。捕鯨会社の共同船舶が発注し、環境配慮の観点から電気推進方式を採用。船体をコンパクト化し、リーファーコンテナを搭載するという仕様は、小規模・特殊船に強い旭洋造船だからこそ実現できた船と言えます。
関鯨丸の歩み(2023〜2024年)
- 2023年8月:命名・進水式(旭洋造船下関工場)
- 2024年3月29日:竣工・引渡し(時事通信/海事プレス報道)
- 2024年5月21日:下関港を出航
- 2024年5月23日:東京港寄港・お披露目式
- 2024年5月25日:北海道・東北沖で母船式捕鯨を初操業
- 2024年5月30日:体長約13m・体重約16.5tのニタリクジラを初解体
- 2024年6月9日:仙台港でニタリクジラ15頭分・約50tを試験的に荷揚げ
- 2024年12月:下関港に帰港。シーズン総捕獲量は約1,550tに到達
関鯨丸の登場により、商業捕鯨で約50年ぶりにナガスクジラの捕獲が認められたという歴史的な動きにも対応。日本の捕鯨事業と調査事業を支える要となっています(出典:日経/海事プレス)。
本件は全国的に注目され、旭洋造船の知名度を一気に押し上げた一隻と言って差し支えないでしょう。「特殊船といえば旭洋造船」という業界内ブランドが、関鯨丸の成功で対外的にも広く認知された格好です。
〜2024〜2025年の新造船トピックス〜
内航コンテナ船「かこ」竣工(2024年12月)
関鯨丸に続くトピックが、井本商運向けの新時代1,000TEU内航コンテナ船「かこ」の竣工です(2024年12月)。
同船は次世代型球状船首ブリッジを採用し、内航コンテナ船として史上最大級のサイズを持つシリーズに位置づけられます。省エネ・GHG削減技術を盛り込んだ設計で、内航海運の効率化と脱炭素化に貢献する1隻となりました。
ClassNK基本設計承認(AiP)取得(2025年1月)
2025年1月には、日本海事協会(ClassNK)から基本設計承認(AiP:Approval in Principle)を取得。AiPは新型船の設計コンセプトに対して船級協会が初期段階で承認を与える制度で、新型船の商業化に向けた重要なステップです。旭洋造船の設計力が船級協会によってお墨付きを得た格好で、今後の受注競争力の強化につながると見られます。
〜業 績〜
| 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | |
| 売 上 高 | 14,854 | 12,536 | 18,357 |
| 営 業 利 益 | NA | NA | NA |
| 当期純利益 | NA | NA | NA |
非上場のため2024年3月期以降の業績数値は公表ベースでは取得できず、本記事では2023年3月期までの売上高のみ掲載しています。
ただし、業界全体の流れとしては、船価上昇+円安効果+内航コンテナ・特殊船の堅調な需要を背景に、上場系造船5社の2024年度受注は計47隻と低迷時の2倍以上に回復(出典:海事プレス2025/5)。旭洋造船もこの追い風の中にいると考えられます。
関鯨丸の成功と「かこ」シリーズの量産で、受注残・知名度の両面でプラスに働いていると見るのが妥当でしょう。
〜ま と め〜
関鯨丸という「世界に1隻しかない船」を造り上げ、続く2024年末には内航コンテナ船「かこ」を竣工。さらに2025年初にはClassNKのAiP取得と、「特殊船×内航×新技術」の三本柱で確実にプレゼンスを高めている旭洋造船。
規模では大手に届かなくても、「一隻入魂」と「特殊船への対応力」で唯一無二のポジションを築いている点が、この会社の最大の魅力です。
今後も九州下関から、日本の造船業に新しい一隻を送り出し続けてくれるはず。
そんな旭洋造船から、これからも目が離せません。
ごあんぜんに!
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出典
- 旭洋造船株式会社 公式サイト・製品ページ
- 時事通信「73年ぶり新捕鯨母船『関鯨丸』竣工」(2024/3)
- 海事プレス「東京に初入港、25日から初操業へ新造捕鯨母船『関鯨丸』」(2024/5)
- 日本経済新聞「ナガスクジラを捕獲、商業捕鯨で50年ぶり 共同船舶」(2024/8)
- くじらタウン/くじらジャパン公式サイト
- 井本商運株式会社 関連報道(1,000TEU内航コンテナ船「かこ」竣工)
- 海事プレス「24年度新造船受注は計47隻と高水準」(2025/5)


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