【海をつなぐ。しあわせをつなぐ造船企業】株式会社新来島どっくにスポットを当ててみた

海事都市今治を本拠点にする造船会社は今治造船だけではありません。
今一番勢いのある造船会社「新来島どっく」があるんです♪
「海をつなぐ。しあわせをつなぐ。」このフレーズをブランドパーパスにし、あらゆるステークホルダーに寄り添う姿勢が伝わってくる企業「株式会社新来島どっく」についてまとめてみました。
勢いに乗る新来島どっくが今後の造船市況の波をどう読み、どう乗り越えていくのか？
まずはこの記事で新来島どっくの概要を掴みましょう！

〜会 社 情 報〜

・会  社  名：株式会社新来島どっく
・ふりがな：かぶしきかいしゃしんくるしまどっく
・代  表  者：森　克司（もり　かつし）代表取締役社長
・U　R　L：株式会社 新来島どっく｜造船の未来を拓く (skdy.co.jp)
・本　　社：愛媛県今治市大西町新町甲945（大西工場）
・他  拠  点：東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル7階（東京事務所）
　　　　　　 大阪府大阪市北区堂島2-2-2 近鉄堂島ビル16階（阪神事務所）
　　　　　　 福岡県福岡市博多区店屋町4-16 土居ビル（九州事務所）
・グループ会社：株式会社新来島豊橋造船（愛知）
　　　　　　　　株式会社新来島高知重工
　　　　　　　　株式会社新来島サノヤス造船（岡山・大阪）
　　　　　　　　株式会社カナックス（東京）※商社
　　　　　　　　株式会社新来島波止浜どっく（愛媛）
　　　　　　　　株式会社新来島広島どっく（広島）
　　　　　　　　株式会社新来島製作所（愛媛）※舶用製品製造
　　　　　　　　株式会社新来島宇品どっく（広島）
　　　　　　　　株式会社新来島徳島どっく（徳島）
・そ の 他 企 業：奥道後ゴルフ観光株式会社
　　　　　　　 　株式会社新来島エンジニアリング
　　　　　　　 　株式会社アステック
　　　　　　　　 愛媛造船サービス株式会社
　　　　　　　　 株式会社オーエーシステムサービス
　　　　　　　　 株式会社大西運輸
　　　　　　　　 株式会社クリエイト
　　　　　　　　 株式会社ドリームサービス
　　　　　　　　 株式会社ゆずえサービス（不動産関係）
基本的には瀬戸内界隈に工場を構えています。
中堅以上の造船所は、船主への配慮なのか必ずホテル等の不動産関係や娯楽関係を関係会社で行っています。社員であれば割引価格で利用できたりするのでしょうか？ゴルフを割引でプレーできるなら魅力的な福利厚生になりますね♪
非常に羨ましい（´∀｀*）

〜会 社 の 特 長〜

自動車運搬船（PCC)と言えば「新来島どっく」という印象です。
国内初の大型LNG燃料船「SAKURA LEADER」が「シップ・オブ・ザ・イヤー2020」を受賞したのは記憶に新しく、まさに「PCCの新来島どっく」をより濃く印象付けました。
売上規模としては国内5位前後の中堅にあたり、新燃料船の開発のみならずAIの活用や省人化（ロボット化）に積極的に取組んでいる姿勢が見て取れます。

国内中手造船所トップの特許出願数（440件超）は他の追随を許さない圧倒的な数字です。
後にトピックスでも触れますが、サノヤス造船の買収や大西工場のドック拡張、桟橋延長等、今一番勢いのある造船会社ではないでしょうか。
その背景には、線表を十分に伸ばしている点や損益率の改善が挙げられ、今後も継続的な設備投資による生産性向上＆会社規模拡大が期待できそうです。
効果的な設備やシステムの導入を促進する経営陣がいることはとても羨ましい限りです。

事業内容

PCCやケミカル船を主とし、RORO船やバルカーなど様々な船種を建造。各工場が得意とする船種を連続建造することで効率的かつ省コストで利益を生みだしています。前に少し聞いた話では、調達業務を関係会社のカナックスに集約し、スケールメリットでコストダウンを図っているとのことでした。

新造船だけでなく修繕業も行っていて、新来島徳島どっくが修繕専業のようです。中堅規模以上の造船会社は必ず修繕工場も持っています。

特色と直近の動向

この業界では世界的な知名度を誇る海事都市「今治」に主要拠点（大西工場）を構え、会社規模や知名度は国内トップクラスの造船会社です。会社のブランドパーパスがとても素敵で、会社の魅力が華やかに表現されています。
「海をつなぐ。しあわせをつなぐ。」良いですねぇ～♪
思わずタイトルに入れてしまいました。

直近のトピックスは2点。
1点目は「サノヤス造船㈱の買収」です。
サノヤスHDが100年以上も継続していた造船業を撤退することに、もの凄く驚いたことを覚えています。海外勢の台頭やコロナショックで「いよいよヤバい」みたいな噂は様々な造船所でありましたが、まさかサノヤスが新来島どっくGに入るとは思いませんでした。造船会社の買収は今治造船の専売特許くらいに思っていましたので、まさかの展開でした。結果的にはサノヤス造船の大阪製造所にLNGタンク用の防熱専用建屋を建設することで、LNGタンクの内製化によるコストダウンが可能に。そしてLNG焚きPCCに繋がっているようなので、買収は非常に良い選択だったのだろう・・・と、経営陣の先見の明には驚くばかりです。今後はサノヤス造船でも積極的な設備投資が行われると思いますので、外部から見える範囲でチェックしていきたいと思います。

2点目は「大西工場の建造設備拡張」です。
今年2月に、新来島どっく/大西工場の1号ドック拡張を実施するという報道がありました。
更には桟橋の延長等も計画し、2028年度の完成を目指すと。
背景には新燃料船の対応力強化があり、既に対応しているLNG船のみならず、水素やメタノール、アンモニアといった様々な新燃料船の建造を将来的には対応していく方針のようです。

ドック拡張と言っても簡単な話ではありません。ドックに付帯する設備（大型クレーン）も拡張したドックに適応させる必要があり、拡張工事中の操業はどうするのか？拡張後のドックを有効に活用する船の設計（ブロック割り）等ができるのか？人手は足りるのか？等々・・・・懸念事項が多岐にわたることが素人の私でも容易に想像できます。

しかし、この拡張を成功させた時には、新来島どっくGとして新たな（大きな）一歩を踏み出すことは間違いなく、ますます新来島どっくGから目が離せません！

近隣に住んでいる方々は気付いているかもしれませんが、新来島どっくGの各造船所が続々と搬送設備（大型クレーン）を入れ替えています。これは明らかに何かを見据えての設備投資だと思われ、会社として更に大きくなるであろうと想像できます。
いや～・・・・・今後の造船業界は本当に目が離せない。
コロナ前後が本当に辛い業界だったが故に、ナゼか無性に応援したくなってしまいます。

〜業 績〜

コロナ禍でも経常利益は黒字！流石です。
ごあんぜんに！

以上