本記事は個人による公開情報の整理を目的としたものであり、特定銘柄の購入・売却を勧誘するものではありません。株式投資には元本割れのリスクがあります。投資判断は必ずご自身の責任で、最新の公式IR情報・専門家の助言をもとに行ってください。本記事の情報による損失について、執筆者は一切の責任を負いません。詳細な免責事項はこちら
「日本製鉄の本決算ってどうだった?」「USスチール買収完了後の初年度はどんな数字?」──。日本製鉄(証券コード:5401)が2026年5月13日に2026年3月期の通期決算を発表しました。本記事は決算短信に基づいて内容を速報整理します。
本記事は2026年5月13日発表の日本製鉄2026年3月期決算短信〔IFRS〕(連結)をもとに、業績・USスチール統合の影響・配当・2027年3月期見通しをまとめます。鉄鋼セクター・国策銘柄に関心のある方の情報整理にお役立てください。
※本記事は2026年5月13日発表の日本製鉄2026年3月期決算短信(IFRS連結)に基づきます。詳細・正式数値は同社IR公式の決算短信PDFでご確認ください。
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2026年3月期 連結業績サマリ(IFRS)
2026年3月期は売上収益10兆063億円(前期比+15.7%)と過去最高水準まで拡大した一方、親会社所有者帰属当期利益は171.5億円(同△95.1%)と大幅減益で着地しました。黒字は維持したものの、利益面では極めて厳しい1年でした。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前期比 |
| 売上収益 | 8兆6,955億円 | 10兆0,632億円 | +15.7% |
| 事業利益 | 6,832億円 | 5,141億円 | △24.8% |
| 営業利益 | 5,479億円 | 2,429億円 | △55.7% |
| 税引前利益 | 5,243億円 | 1,728億円 | △67.0% |
| 親会社所有者帰属 当期利益 |
3,502億円 | 171.5億円 | △95.1% |
| 基本的1株当たり 当期利益 |
70.18円 | 3.28円 | △95%超 |
※1株当たり当期利益は2025/10/1の1→5株式分割を反映した数値(前期も分割反映後の比較ベース)。
注目すべきは「売上の大幅増 vs 利益の大幅減」という構図です。売上ベースでは10兆円超に拡大しましたが、これはUSスチールを連結子会社化したことによる連結範囲の拡大が主因。一方で利益面は、本業の鉄鋼市況悪化+米国関税+USスチール統合費用が重なり、95%減益という厳しい着地となりました。
USスチール統合の連結への影響
2025年6月18日に約2兆円で買収完了したUSスチール(United States Steel Corporation)は、2026年3月期から連結子会社となりました。決算短信の連結範囲の変更で、USスチールを含む新規連結子会社87社が加わったと記載されています。
- 連結範囲の拡大:新規連結 109社(うちUSスチール含む87社)/除外 35社
- 米国鉄鋼市況の想定以上の低迷:需要減退で粗利が圧迫
- 2025年8月のコークス炉爆発事故:オペレーション混乱
- 統合費用・買収関連費用の発生
- トランプ関税の影響:事業利益への打撃
営業利益(連結)が△55.7%、税引前利益が△67.0%と急減した背景には、USスチール買収に伴うのれん・無形資産の評価・統合費用が大きく影響しています。事業利益の段階でも△24.8%減のため、本業の収益力低下も同時に進行している状況です。
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配当:株式分割後の年間24円維持
2025年10月1日に1株を5株とする株式分割を実施しており、配当金は「分割前期」と「分割後期末」が混在する複雑な構成になっています。決算短信に基づき正確に整理します。
| 年度 | 中間配当 | 期末配当 | 年間合計(分割考慮) |
| 2025年3月期 | 80円 | 80円 | 160円(分割前) |
| 2026年3月期 | 60円 (分割前基準) |
12円 (分割後基準) |
24円 (分割考慮後・実質減配) |
| 2027年3月期(予想) | 12円 | 12円 | 24円 (前期同水準を予想) |
※2026年3月期は、第2四半期末配当(2025/9/30基準)が分割前60円、期末配当(2026/3/31基準)が分割後12円のため、単純合算ができません。分割考慮後の年間合計は24円/株です。
配当性向は731.0%(純利益171.5億円に対して配当総額1,255.92億円)と異常な水準ですが、これは純利益が極端に減少した一方で配当水準を維持した結果です。同社の株主還元方針として、純利益の変動に左右されすぎない安定配当志向が示された形と言えます。
2027年3月期 連結業績予想
2027年3月期は業績の大幅回復を見込む強気の予想となっています。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 前期比 |
| 売上収益 | 11兆円 | +9.3% |
| 事業利益 | 5,300億円 | +3.1% |
| 親会社所有者帰属 当期利益 |
2,200億円 | 前期171.5億円から12.8倍 |
| 基本的1株当たり 当期利益 |
42円00銭 | 大幅増 |
※中東情勢の業績への影響は現時点で合理的に定量化できないため、業績予想には反映されていません。
純利益は171.5億円→2,200億円へと12.8倍に拡大する強気予想。USスチール統合の本格的な利益貢献、米国市況の回復、本業の収益改善が前提となっています。ただし、中東情勢が業績予想に未反映であることには注意が必要です。
投資家目線の整理
- 🟠 連結売上10兆円超を達成──USS統合で規模拡大を実現
- 🟠 2027年3月期は純利益2,200億円・12.8倍の反転予想──強気のガイダンス
- 🟠 1→5株式分割で個人投資家が買いやすい水準に
- 🟠 分割考慮後で年間24円配当を維持──減益局面でも配当継続
- 🟠 「国策銘柄」の存在感
- 🔵 2026年3月期は純利益△95.1%の大幅減益
- 🔵 営業利益△55.7%・税引前利益△67.0%と利益面が極めて厳しい
- 🔵 配当性向731%──実質的に利益を超える配当維持
- 🔵 中東情勢の影響が業績予想に未反映
- 🔵 米国関税・中国過剰生産の継続リスク
同社の銘柄詳細は 日本製鉄株式会社(5401)銘柄まとめ でも整理しています。本決算の数値を踏まえて随時更新予定です。
まとめ
- 2026年3月期は売上10兆063億円(+15.7%)の過去最高水準──USスチール連結で規模拡大を達成。
- 親会社所有者帰属当期利益は171.5億円(△95.1%)の大幅減益──黒字は維持したが、本業悪化+USS統合費用が直撃。
- 配当は分割考慮後で年間24円維持──配当性向731%という異常水準ながら株主還元方針を継続。
- 2027年3月期は純利益2,200億円(12.8倍)の強気反転予想──USS本格利益貢献と米国市況回復が前提。
- 中東情勢が業績予想に未反映──地政学リスクの顕在化次第で予想変動の可能性も。
こうした銘柄をチェックする際、ぞうせんおじさんは手数料を抑えて少額からコツコツ買い増せる証券口座を選ぶようにしています。1日の約定代金合計50万円以下なら買付手数料が無料の松井証券は、銘柄分析を読みながら少しずつ仕込んでいきたい個人投資家には便利な選択肢の一つです。気になる方は口座開設しておくと、買いたいタイミングを逃しません。
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本記事は日本製鉄(5401)の2026年5月13日発表の公開情報をもとに整理しています。正確な数値・前提・補足説明は以下の公式資料を直接ご確認ください。
本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄への投資勧誘を目的としたものではありません。記載数値は2026年5月13日発表の日本製鉄2026年3月期決算短信〔IFRS〕(連結)に基づき整理したものですが、正確な内訳・脚注・前提については必ず同社IR公式の決算短信PDFでご確認ください。記載内容に基づいて被ったいかなるトラブル・損失についても、情報提供者は一切の責任を負いません。


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