【東ティモールに進出?!海外に複数拠点を持つ造船会社】常石造船株式会社にスポットを当ててみた

会社紹介

ツネシイホールディングスの中核事業である造船業を営む常石造船。マザー工場である常石工場(福山)の他に中国(舟山)フィリピン(CEBU)に建造拠点を構えています。近年は大手財閥系の三井E&S造船を傘下に加えて国内拠点も増加傾向にあり、常石の勢力は増すばかりのようです。
そんな勢いのある常石造船についてまとめてみました♪

・会  社  名:常石造船株式会社
・ふりがな:つねいしぞうせんかぶしきかいしゃ
・代  表  者:奥村 幸生(おくむら さちお) 代表取締役社長
・U R L:https://www.tsuneishi.co.jp/
・本  社:広島県福山市沼隈町常石1083(常石工場)
・他  拠  点:広島県尾道市因島洲江町字深久保1967(因島工場)※ブロック工場
・関連会社:常石鉄工株式会社(広島)
       常石商事株式会社(広島)
       株式会社三保造船所(静岡)
       神田ドック株式会社(広島)
       鹿児島ドック鉄工株式会社(鹿児島)
       三井E&S造船株式会社(東京)
       新潟造船株式会社(新潟)
       由良ドック株式会社(和歌山)

ツネイシホールディングスグループの中核を担う造船会社。ツネイシHD売上高の約3割が常石造船によるものです。(2023年業績より)
様々な船種に対応する技術力や生産体制を有し、特に有名なのはバラ積み貨物船
「TESSシリーズ(Tsuneishi Economical Standard Ship)」です。
世界中の顧客から高評価を獲得し、1984年にTESSシリーズの1番船を竣工してから現在までに500隻以上の実績を積み重ねました。TESSというベストセラー船だけでなく、小型旅客船やLPG船、コンテナ船やタンカーなど幅広く対応し、日本の造船業界においてトップクラスの知名度を誇っています。

常石造船にて2017年に竣工された旅客船「ガンツウ」はとても印象的でした。まさに「日本を感じられる和の旅客船」に仕上がっています。実は建造中に少しだけ見させていただいたんですよ(^^♪
ガンツウでの瀬戸内旅行は人生でやりたいことリストに入れてあります(笑)

近年は新燃料船や新技術への取組が特に顕著であり、LNGやメタノール、水素燃料といったさまざまな新燃料船の受注をしています。三井E&S造船の設計力や経験も吸収し、最近では三井造船昭島研究所の全株式を取得。開発のボトルネックになっていた研究所すらも手にし、企業としてますます成長が加速するステージに入った印象です。

常石造船はテレビ番組やHPを通じた企業PRが国内造船企業で1番上手いと感じています。
コロナ禍もありテレビで拝見する機会は減りましたが、新聞やニュースで常石造船の名を見る機会が本当に多いです。

デニム生地の新ユニフォームの採用(2018年)や創業家の神原一族についてなど、触れたい話題が多すぎて過去イチ収拾がつきません…´д` ;

そんな常石造船にはこれからも注目です!

第三の海外拠点計画始動!

題名にも書きましたが、新たな海外拠点「東ティモール工場」の報道がものすごいインパクトでした。「ツネイシ・ティモール・シップビルディング」で登記されたようなので、略称は「TTS」ですかね?そもそも東ティモールってどこ?って感じなので簡単に。
※実は昨年末時点で現地のFacebookにて本件が公開されていたのを見逃していませんでした(*´∀`)

【場所】
オーストラリアの少し北
インドネシアの右斜め下くらい

【面積】
14,900平方キロメートル
東京と千葉と神奈川と埼玉の合計くらい。

【人口】
134万人
愛媛県の人口とほぼ同じくらい。

主要産業が農業で、近年は⽯油・天然ガスの開発が貴重な国家財源として進められているらしいです。うーん…なぜこのタイミングで東ティモールなのか謎は深まるばかり…立ち上げまでそれなりの期間と資金が必要でしょうから、引き続き展開を見守ろうと思います。

新規事業への挑戦!

次に印象的なのは硬翼帆事業への参入を表明したことです。
バルクを得意とし硬翼帆事業に取り組む……大島造船所と丸かぶりじゃないか!

って感じで完全に争う姿勢なのがヒシヒシと…
国内造船所同士であり厳密に言えばターゲットが違ってくるだろうから、争うわけでもないかな・・・?
三井造船の技術力や研究所がここで活きてくるようで、ゼロエミ船への取組が超加速しているようです。

日本一?の規模かも!船舶修繕業への取り組み強化

密かに注目しているのが修繕業への注力具合です。

もともと常石工場に修繕部門を持っていましたが、神田ドックや三井傘下の由良ドックも加わり、修繕部門における規模は日本一といっても過言ではありません。売上規模で言えば新造船の10分の1とも言われる修繕業ですが、利益率が高く新造船市況が落ち込んでも安定的な業績を生むことができます。

新造船のみならず、改造工事や定期点検における技術(品質)力は世界から高く評価され、新燃料船が増える今後は益々の活躍が期待されます。

やっぱり目が離せない常石造船!楽しみで仕方がありません。

…少し常石造船びいきな記事になってしまった気がする笑

2021年12月期2022年12月期2023年12月期
売  上  高79,132101,639108,399
営 業 利 益△1,8381,8303,394
当期純利益△1,2312,5304,427
                                                           (単位:百万)

海外工場もあるからなのか、21年12月期はコロナ禍の影響をモロにくらった感じですかね。
22年からは急激な円安もあって多くの造船会社が好業績となっており、常石造船も例に漏れず黒転!
23年12月期は利益が倍近くなっており、為替効果の大きさを感じます。当然、為替が逆に振れる可能性もあるので、経営側はアメリカの動きなどに対し特に敏感になってると思われます。とはいえ、予測しても意味がないからこそ、悪い方に振れた時にどう立ち振る舞うか?これが重要になりますね!

為替の動向が読めるならトレーダーができますから笑

鋼材や資機材価格の上昇幅も落ち着きを取り戻しつつある現状、豊富な受注残を考えると当面の売上高や利益は心配無用な気がします。

これからも常石造船には注目していきます!

ごあんぜんに。
                                            以上

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