造船ブログでオオノ開發について書くとは思っていませんでした。
もともと愛媛県民だったのでオオノ開發のことは知っていましたが、船舶の解撤業を行うとのことで急遽調べてみました。
すると。。。。。
まぁ~素晴らしい企業であることが見えてくるではありませんか(゚д゚)!
これはしっかりと知っておくべき企業だ!ということで簡単にまとめてみました。
オオノ開發は産業廃棄物処理や解体業だけではありません。
「マテラの森」「たかのこの湯」「媛彦温泉」を運営していて、地域への貢献度も計り知れず・・・・
当然、社員の福利厚生に割引制度も設けられていました。さらにはキャンピングカーの無料貸与やスポーツジム完備などなど・・・・魅力的すぎる!
そんな魅力的なオオノ開發についてまとめてみましたので、どうぞ!!
〜 会 社 情 報 〜
・会 社 名:オオノ開發株式会社
・ふりがな:おおのかいはつ
・代 表 者:大野 照旺(おおの てるお) 代表取締役会長
・U R L:オオノ開發(オオノアソシエーツ) (oono-as.jp)
・本 社:愛媛県松山市北梅本町甲184
・他 拠 点:愛媛県東温市見奈良1241(見奈良事務所)
愛媛県東温市河之内乙825-3(フレップとうおん)受付事務所
愛媛県東温市河之内乙855(フレップとうおん)事務所
愛媛県東温市河之内乙858-2(環境科学研究センター)
東京都千代田区丸の内1-6-1(東京支店)
神奈川県川崎市川崎区大川町7-7(川崎積替保管所)
愛知県名古屋市中村区名駅4-6-17(名古屋支店)
愛知県知多市北浜町11-1(フレップ知多)旧IHI愛知事業所
大阪府大阪市中央区南本町3-6-6(大阪支店)
福岡市博多区店屋町8-17 いちご博多明治通りビル(九州支店)
愛媛県松山市水泥町1263-1(マテラの森)
その他愛媛県内に事務所を複数展開
・関係会社:株式会社千照運輸
株式会社日景生コン
四國生コン株式会社
株式会社マテラ
たかのこの湯・たかのこのホテル
媛彦温泉
〜 会 社 の 特 長 〜
オオノ開發は愛媛県松山市に本社を置く環境関連事業を中心とした企業です。
1966年に創業し、産業廃棄物処理業者としては国内有数であり愛媛県内では最大手!
オオノ開發の主要事業は、解体・土木工事や産業廃棄物処理ですが、それ以外にも幅広い分野に進出しています。環境問題に対する先見性を持ち、最新設備と人材を活用して環境問題の解決に取り組んでいます。
愛媛県東温市に位置し、様々な処理施設が集まった複合型処理施設「フレップとうおん」は四国最大級の規模を誇り、その敷地面積は約500ha(5,000,000㎡)!
この広大な敷地内で様々な産業廃棄物処理を行っていますが、オオノ開發の強みはこの処理施設(処理能力)ではありません。
実は「産業廃棄物処理を一貫して請け負える体制」こそがオオノ開發の強みとなります。
対象物の解体撤去工事に始まり、環境調査や産廃の収集、運搬を一手に請け負える体制(会社規模)こそが、その他産廃処理企業と大きく異なる点といえます。
この体制こそが題名にもある「船舶の解撤業進出」につながっているのでは?と想像できます。
2010年頃に世界の新造船建造量は1億総トンを超えていました。(現在は5~6千総トン程度)今後、その頃に建造された船舶が代替の時期に入ってきます。昨今の環境規制により新燃料に対応する船舶への代替が促され、船舶の解撤需要は増加すると予想されています。
盤石な体制を整えているからこその船舶解撤業進出と考えると、実に戦略的である様子が伺えます。
また、産廃処理といった主要事業のみならず、温泉・ホテル運営、化粧品製造、農業など、多岐にわたる事業を展開しています。「媛彦温泉」「たかのこの湯(ホテル)」「マテラの森」などの施設運営を行っており、地域の活性化や雇用創出にも貢献しています。
人を大切にするオオノ開發は「社員ファースト」の理念を掲げ、従業員が働きやすい環境づくりに力を入れています。充実した福利厚生を下記します。
- スポーツジム完備
- 物価上昇手当支給
- 昼食補助や社員食堂の設置
- キャンピングカー、プレジャーボート、スポーツカーの無料貸与
- UNITED ARROWSデザインの制服貸与
- 独身寮完備
- こども手当支給
- 入社支度金支給
- 誕生日プレゼント ・・・etc
なんと充実した福利厚生制度なんでしょう!私の勤めている会社が霞んで見える(ーー;)
やはり、どのような会社に身を置くかでQOLは全く違ったものになりますね・・・・
社員さんたちが羨ましすぎです(´・_・`)
オオノ開發は汚染土壌や低濃度PCB廃棄物の無害化処理、解体、運搬処分など、環境問題の解決に直接携わる事業を展開していますので、社会貢献度がとても高い企業といえます。
採用ページを見ると、グローバルな視野での人材育成や成長企業としての魅力と安心感がものすごく伝わってきます。
ここまで作りこまれたHPを見ると、自然と働いてみたくなってしまいます。
産業廃棄物処理と聞くと3K(きつい・汚い・危険)のイメージが浮かんできますが、完全にイメージが覆りました!
直近の動向
船舶の解撤(スクラップ)事業へ参戦!
オオノ開發が旧IHI愛知工場を活用して船舶の解撤業を計画中!とのニュースが飛び込んできました。この事業展開には以下のような特徴があるようです。
・国内唯一の大型外航船対応設備
オオノ開發は愛知県知多市に大型外航船にも対応可能な国内唯一のドライドックを所有しています。ここはかつてIHIが海洋構造物の生産に使用していた愛知工場の跡地となっており、現在は搬送設備(クレーン)も撤去されていたと記憶しています。
大きなドライドックがあるのは事実ですが、解撤には大きなクレーンが必須になります。今後、どのような設備が導入されるのか注目しています。
・日本郵船との協力
オオノ開發は日本郵船と共同で船舶リサイクル事業の展開を検討しています。
2024年9月18日に両社は覚書を締結し、事業化に向けた共同検討を開始しました。
解体して出てきた鉄スクラップをどのように処理(売却)するのか?
スクラップ相場は今後どのように推移していくのか?
今後どの程度の解撤需要が継続的に見込めるのか?
おそらくハードルはとても多いように思いますが、ぜひとも良いものになることを期待して見守りたいと思います。
・国際基準への対応
2025年6月に発効予定の国際海事機関のシップリサイクル条約に対応した施設となることが期待されています。オオノ開發のフレップ知多も環境保全と労働安全確保を目的とした国際基準に適合する数少ない解体ヤードの一つとなる可能性があります。
今回のオオノ開發の取組は国内の船舶リサイクル産業に新たな展開をもたらす可能性があると考えており、ものすごーく注目しています。
人手不足の解消 5G遠隔操作システムの導入
昨今の人手不足は土木業や製造業といった現場仕事を伴う業界ではかなり深刻な問題となっています。働き方改革等による残業規制もあり、従来の工程では工事が行えなくなった現場も少なくありません。また、現場仕事で欠かせない建設機械(重機)の運転手が足りないことも工事工程を伸ばしている原因になっています。
そんな人手不足問題に対し、オオノ開發は5G遠隔操作システムを導入しました。
これは現場仕事(重機作業)を伴う業界に革新をもたらす先進的な技術だと思われます。
このシステムは、5Gネットワークの高速・大容量・低遅延の特性を活用し、建設機械から高精細な映像を送信し、離れた場所にあるコックピットから建設機械の遠隔操作を可能にします。
システムの魅力は下記のとおりです。
- 安全性の向上:オペレーターは危険な現場から離れた安全な場所で運転が可能に。
- 快適な作業環境:作業による振動が少なく、運転手への負担が軽減。
- 柔軟な勤務形態:オフィスでの運転操作が可能となり、通常の服装でもOKに。
- 人手不足解消:現場の人手不足や運転手の高齢化という社会課題に対応。
- 将来性:5G環境の整備により、汎用的な技術として多くの現場作業で採用可能に。
オオノ開發は、この新システムを単なる技術革新としてではなく業界全体の変革と地域社会への貢献の手段として位置づけています。この5G遠隔操作システムは、建設業界の未来を切り開く可能性を秘めており、オオノ開發の先進性と行動力が体現された革新的な取り組みだと感じました。
このニュースのインパクトはものすごく大きく、今後様々な現場の建設機械(重機)にも展開され、人手不足の解消に貢献することが期待できそうです。
ちなみに、今治造船のように多くのクレーンを所有する会社からは「クレーンよりも運転手の方が少なくて困っている」という声が多く聞こえてくるようになりました。
このような遠隔操作が可能になれば、そのような問題は一気に解消に向かう可能性すら感じさせてくれます。
造船所のジブクレーンやゴライアスクレーンの場合は運転室に行くまでも一苦労であり、高齢運転手は一度運転室に入ったら定時までは降りてこないとも聞きます。
実際、一日中クレーンが稼働していることは少なく、数百トンの大きいブロックを吊る作業であれば一日に数回程度です。そのために運転手をクレーンの運転室に終日待機させておくのは非効率であり、遠隔操作の実装により人件費削減効果も期待できそうです。
そもそも人手不足なので雇用機会の喪失といった問題にも発展するとは思えませんし、ぜひとも実現(広域展開)してほしい技術の一つといえそうです。
〜 業 績 〜
2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | |
売 上 高 | 16,100 | 21,900 | 22,600 |
営 業 利 益 | NA | NA | NA |
当期純利益 | NA | NA | NA |
詳細な業績はつかめませんでしたが、新規事業への取組などをみていると本業では安定した業績を確保しているのではないかと思われます。
多くの不動産購入や設備投資を必要とする事業は有利子負債が膨らむなど、CFに関する懸念が拭えないことが多いです。オオノ開發もこれだけの事業規模を展開し、近年でも設備投資を積極的に行っているようですので、似たような懸念はあるのだろうと想像されます。
しかしながら、ここまでに築き上げた信用力や国内有数の事業規模から生み出される収益力から考えると、そこまで心配することはないのでしょう(´-ω-`)
船舶の解撤業で造船業界にちょっと違った風を吹かせるオオノ開發からは目が離せません。
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