サノヤスホールディングスの子会社だったサノヤス造船。
2021年2月に新来島どっくGがサノヤス造船の全株式を取得し「新来島サノヤス造船」が誕生!
今後の主力燃料となりうるLNG等のタンク事業に注力し、新来島どっくGで建造される新燃料船にとって重要なポジションを担います。
日本初の防熱専用建屋も竣工し、タンク事業の新規受注は好調な模様。
新造船部門・修繕船部門・ガスタンク部門の3本の矢で躍進する新来島サノヤス造船についてまとめてみました。
〜 会 社 情 報 〜
・会 社 名:株式会社新来島サノヤス造船
・ふりがな:かぶしきかいしゃしんくるしまさのやすぞうせん
・代 表 者:森本 洋二(もりもと ようじ) 代表取締役社長
・U R L:株式会社新来島サノヤス造船|(旧:サノヤス造船) (skdy.co.jp)
・主 拠 点:岡山県倉敷市児島塩生2467-21(水島製造所)
・他 拠 点:大阪市西成区南津守5-13-37(大阪製造所)
・系 列:株式会社新来島どっく https://zosenblog.com/shinkurushima/
〜 会 社 の 特 長 〜
2011年にサノヤスホールディングスが設立され、造船部門とプラント部門が分社化するかたちでサノヤス造船㈱が設立。
2020年、そもそも造船業界は好不況の山谷が激しく新型コロナの影響もあってサノヤス造船は業績的に非常に厳しい状況に立たされていたようです。
海外造船企業の台頭によるコスト競争の激化や環境規制への対応に単独で立ち向かうことは難しいと判断し、非オーナー系の新来島どっくG参入に至りました
新造船を行う水島製造所は台風や高潮の影響を受けにくい好立地に拠点を構え、新来島どっくG内では数少ない定格800tのゴライアスクレーンが設置されています。
※グループ内では豊橋造船がもう一回り大きい定格1200tのゴライアスクレーンを所有しています。
組立定盤とドックが並走する工場レイアウトは定格800tのゴライアスクレーンが活きてきます。
効率的な建造を可能にし長さ675mの建造ドックを最大効率で活用しています。
新造船部門では7~8万トン級のパナマックスバルカーを得意とし100隻以上の実績を誇ります。
それ以外にもタンカーや特殊船(自航式多目的船やフェリー)も手掛けています。
修繕船部門は新造船部門の技術力も生かして様々な船種の修繕に対応することが可能。
海洋構造物の建造や船の高速エンジンの整備業務も行っており、大型エンジンの分野では日本唯一の整備資格を有しています。
ガスタンク部門は2000年の事業開始から50以上の納入実績を重ね、豊富な実績に裏付けされた高品質なタンクの製作を行っています。LNG燃料タンクの内製化が加速する昨今において、タンクの製作拠点をグループ内に構えることはとても重要なことであり、新来島どっくGの次世代燃料焚き新造船への貢献度は計り知れません。
以前はタンク調達に中国を頼ることが多く、納期やコストをコントロールすることは非常に困難でした。国産燃料タンクの需要は今後も増加していくと予想され、ガスタンク部門の益々の活躍が期待されます。
直近の動向
国内造船所の再編が加速!
近年、設計力や営業力強化を目的としたM&A(合併・買収)が総合重工系造船会社を中心に多く実施されました。中韓で行われる国を巻き込んだ造船業支援政策に対して日本の一企業が単独で立ち向かうことは難しく、特に急務となっている新燃料船への対応に向けた設計力強化が主たる目的となっています。
「サノヤスホールディングスと新来島どっくGは、新来島どっくGがサノヤス造船の全株式を取得して子会社に加えることで基本合意した」このニュース速報を某SNSで見つけた時の驚きは今でもよく覚えています。コロナの影響で事業的にとてもつらい状況であることは中の人からも漏れ聞こえていましたが、まさか新来島どっくGに入るなんて想像もしていませんでした。
コロナの影響で言えば、もっとヤバい状況になった造船所がいくらでもありましたし、そのような造船所の当時の雰囲気は悲壮感が漂うとかいうレベルではありませんでした。このような危機的状況は未曾有すぎて、もはや開き直って笑ってましたからね・・・・(;’∀’)
新来島サノヤス造船は新来島どっくが得意とするサイズよりも一回り大きい船舶建造を得意としています。この両社が一体となることで対応可能範囲が広がり、双方にメリットがあると思われます。サノヤス独自の事業部を取り込み、新来島どっくGとのシナジー効果は今後さらに加速することが期待されます。
待望のタンク内製化へ準備完了
2022年末に水島製造所内にて建設中だった防熱専用建屋が竣工しました。
新建屋は大型船に搭載するLNG燃料タンクの防熱施工で、温湿度管理が可能な空調設備と省エネ効果のある断熱壁を設けた国内初の防熱専用建屋となっています。
タンク防熱施工過程で脱炭素化に貢献することが可能であり、CO2排出量は既存設備に比べ約80%の削減が期待できます。新来島どっくGはLNG焚きPCC(自動車運搬船)を10隻以上受注しており、内製されたタンクが新来島どっくGの新燃料船建造を支えていきます。
高所恐怖症の人は注意!おかやままなびとサーチに登場
岡山県内のさまざまな企業や学校を紹介するサイト「おかやままなびとサーチ」に新来島サノヤス造船が登場しています。ただの会社紹介ではありません。なんとゴライアスクレーンの操縦席からの景色を見ることができます!※Youtube動画内4分08秒~
こんな高いところの運転席で操作をするなんて・・・・
高所恐怖症の私からすると考えられませんし、映像を見ただけでゾッとしてます(;゚Д゚)
運転手スゲー!ってなりました。
高いところが大丈夫な勇者はぜひご覧ください♪
「おかやままなびとサーチ」→「産業館」→「倉敷市」より検索ください。
〜 業 績 〜
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | |
売 上 高 | 29,193 | 30,684 | 37,976 |
営 業 利 益 | △6,948 | 422 | △726 |
当期純利益 | △7,070 | 280 | 121 |
ここ2年は最終黒字を確保しています。
タンク需要も今後さらに高まるでしょうし、修繕案件も増加していくと予想されています。
資器材や鋼材が高止まりするどころか右肩上がりを続け、為替も米国大統領選などのイベントを控え全く読めません。そんな今日も円高が進み147円まできました。(24/08/02)
そもそも為替が読めたらトレーダーで生きていけますが・・・・(笑)
そのような不安は常に残りますが、新来島どっくGに入ったことによるシナジー効果は今後の業績に表れてくることでしょう!
新来島どっくGに転生した新来島サノヤス造船から目を離さぬよう!
ごあんぜんに。
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