ぞうせんおじさんは将来のため?にボチボチですが投資をしています。
主にインデックス投資でS&P500をコツコツ買いつつ、たまーに起こる暴落時に高配当銘柄を仕込むのが基本スタイル。
※Xではチャートの形に妖艶な魅力を感じたフォトシンス(4379)を応援しています(*^^*)
仕事の関係で造船関連企業に関わる機会が多く、造船所をつくる材料=鋼板を供給する鉄鋼メーカーにも自然と関心が向きます。
その筆頭が日本製鉄(5401)。造船用厚板の国内最大手であり、USスチール買収完了で「世界粗鋼生産能力8,200万トン体制」を実現した、まさに国策銘柄です。
2026年4月時点(2026年3月期Q3まで判明)の最新データで、投資対象としてどう評価できるのかを確認していきます。
※本記事は2026年4月時点の公開情報(2025年3月期決算短信/2026年3月期Q3決算短信/株探・Yahoo!ファイナンス・楽天証券トウシル等)に基づきます。株価・配当は変動するため最新値はYahoo!ファイナンス等でご確認ください。
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📖 この記事の目次(クリックでジャンプ)
〜 銘 柄 の 基 本 情 報 ・ ど ん な 会 社 ? 〜
- ✅ 日本最大・世界トップクラスの鉄鋼メーカー(2012年に新日本製鐵+住友金属が経営統合)
- ✅ USスチール買収完了で世界粗鋼生産能力8,200万トン体制(世界トップ3規模)
- ✅ 自動車向け高級鋼板・電磁鋼板で世界トップシェア。EV化の追い風
- ✅ 造船用厚板の国内最大手──三井E&S・名村造船所・今治造船など主要造船所の供給元
- ✅ 株主優待あり(100株以上)。5,000株以上で製鉄所見学会の抽選招待もユニーク
〜 2025年3月期 → 2026年3月期Q3:何が起きているか 〜
2025年3月期実績(着地):純利益3,502億円で着地
| 項目 | 2025年3月期 | 備考 |
|---|---|---|
| 親会社所有者帰属 当期利益 | 3,502億円 | IFRSベース |
| 配当金支払総額 | 1,620億円 | 株主還元継続 |
| 自己資本比率 | 49.2% | USS買収前の水準 |
2025年3月期は純利益3,502億円で着地。鉄鋼市況の調整局面ながら、自動車向け高付加価値鋼の収益性で粘り強い決算を維持しました。
自己資本比率49.2%と、鉄鋼業としては財務体質も健全水準を維持していました。──ただし、ここから「歴史的買収」が始まります。
2026年3月期Q3:USスチール買収で「赤字決算」の衝撃
- 売上収益 7兆2,563億円(+10.7%)
- 親会社所有者帰属 四半期損失 ▲450億円(赤字転落)
- 事業再編損 約2,490億円計上(USS買収関連の一過性費用)
- 総資産 14.4兆円へ拡大/自己資本比率 49.2%→36.8%へ低下
2026年3月期Q3は、USスチール買収に伴う事業再編損 約2,490億円を計上し、四半期最終損益は450億円の赤字に。通期予想も最終損益600億円の赤字へ下方修正されています。
ただし──本業の売上規模は前年同期比+10.7%で7.25兆円と着実に拡大。「世界1億トン体制」への先行投資局面と捉えるかどうかで、評価は大きく分かれる場面です。
〜 各 種 指 標 〜
配当:中間24円/配当利回り3.5〜4%水準(株価により変動)
2026年3月期は中間配当24円が公表済で、配当利回りは3.5〜4%水準(株価により変動)。期末配当の正式予想は通期決算時の発表が見込まれます。
USS買収で一時的に最終赤字となる中でも配当を維持・継続する姿勢を示しているのは、長期保有層への配慮といえます。
※配当性向=配当金支払総額÷当期純利益×100。一時要因の赤字下では配当性向の数値は参考になりません。
PBR0.6倍が示す「市場の評価」
PBR約0.6倍は、東証の「PBR1倍割れ改善要請」の対象水準で、市場が日本製鉄の純資産を額面どおりには評価していないことを意味します。
裏を返せば、USS買収シナジーが顕在化して再評価されれば株価の上振れ余地は大きいとも読めます。バリュー投資の典型的なターゲット銘柄です。
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EPS/PER/自己資本比率の見方
- EPS:2026年3月期は一過性損失で大幅減。2027年3月期以降の正常化EPSが投資判断の鍵。
- PER:単年の赤字予想ベースでは数値の意味が薄い。正常化利益ベースでは1桁台後半〜10倍前後の見立てが多い。
- 自己資本比率:49.2%→36.8%へ大幅低下。USS買収によるレバレッジ拡大は要警戒。ただし鉄鋼大手としては許容範囲内。
※指標解説
EPS:1株あたり純利益=当期純利益÷発行済株式総数
PER:株価収益率=株価÷EPS
PBR:株価純資産倍率=株価÷BPS(1株あたり純資産)
自己資本比率:総資本のうち純資産の占める割合
〜 魅 力 ポ イ ン ト / 懸 念 事 項 〜
- 🟠 USスチール買収完了で世界粗鋼生産能力8,200万トン体制──世界3強の一角に
- 🟠 本業売上は+10.7%で着実拡大──買収費用を除けば成長は継続
- 🟠 PBR約0.6倍の割安水準──東証PBR1倍割れ改善要請の対象、再評価余地あり
- 🟠 配当利回り3.5〜4%+株主優待あり──インカム&優待の二重メリット
- 🟠 自動車向け高級鋼板・電磁鋼板の世界トップシェア──EV化・脱炭素の追い風
- 🔵 2026年3月期は最終赤字600億円見通し──USS買収費用の重しが当面継続
- 🔵 自己資本比率49.2%→36.8%へ低下──買収による財務レバレッジ拡大
- 🔵 USS買収シナジーは未知数──統合運営の難しさ・米国政治リスク(CFIUS等)
- 🔵 中国・韓国鉄鋼との価格競争──過剰生産能力で市況が不安定
- 🔵 鉄鋼市況・為替・原料価格の三重リスク──典型的な景気敏感株の特性
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〜 総 合 的 な 感 想 〜
- 「短期赤字×中長期成長」の分かりやすいバリュー銘柄
USS買収費用で2026年3月期は赤字確定ですが、本業売上は+10.7%で拡大中。買収シナジーが効きはじめる2027年以降を見込んだ仕込み局面と捉える投資家も多い構図。 - 配当+優待+PBR0.6倍の3点セットは魅力的
配当利回り3.5〜4%+株主優待+割安PBRと、長期保有派の好む条件が揃っており、内海造船・名村造船所よりはるかにインカム投資向き。 - ただし「USS統合がコケる」リスクは別次元の大きさ
2兆円超を投じた巨大買収の成否が今後数年の業績を左右します。米国政治リスクも含め、分散投資の中の1銘柄として組み入れるのが現実的なスタンスでしょう。
結論として、日本製鉄は「インカム+バリューの両取りで、しかも世界級スケール」という、造船関連3銘柄(内海・名村・三井E&S)とは一段違う重みを持つ国策銘柄です。
とはいえ、USS買収という「歴史的勝負手」の真っ只中にあり、株価の振れ幅は大きいまま当面続きそうです。押し目を待ってからの分割買い+長期保有前提で組み入れるのが、ぞうせんおじさん的には王道だと考えています。
造船所の鋼板を支えているのが日本製鉄であり、その日本製鉄が世界で勝つことが、結果的に日本の造船業の国際競争力にもつながります。「鉄は国家なり」という言葉が令和の時代にも通用することを示してくれる存在として、これからも応援していきたい企業です。
出典・関連記事
- 日本製鉄「2025年3月期 決算短信〔IFRS〕」(2025/5/9)
- 日本製鉄「2026年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕」(2026/2/5)
- 楽天証券トウシル「日本製鉄PBR0.6倍、割安の理由」
- 日経電子版/株探(kabutan.jp)/Yahoo!ファイナンス/みんかぶ
- 関連記事:【株式投資】株式会社三井E&Sの銘柄まとめ
- 関連記事:【株式投資】内海造船㈱の銘柄まとめ
- 関連記事:【株式投資】名村造船所㈱の銘柄まとめ
- 関連記事:日本の造船業界 再編マップ完全ガイド
本記載内容は情報提供を目的としており、売買を推奨したものではありません。いかなる内容も将来の運用成果を保証するものではなく、最終的な投資判断は各個人の判断・責任でお願いいたします。記載内容については細心の注意を払っていますが、記載内容の誤りや掲載情報に基づいて被ったいかなるトラブル、損失、損害について、情報提供者は一切の責任を負いません。
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