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【株式投資】内海造船㈱ 2025年3月期 決算内容を確認

株式投資

2025年5月12日(月)
内海造船㈱が2025年3月期の決算発表を行いました。
今後継続的に変化を捉えられるよう、内容をサッとまとめておこうと思います。
造船セクターの他銘柄にも手を広げられるかは自分次第ということで頑張ります(笑)

・企業名
 内海造船株式会社

・コード番号
 7018

・事業内容
 新造船事業および改修船事業(船の修繕業)

・業界ポジション
 フェリーの建造においては日本トップクラスの実績を誇る中堅造船企業

直近の株価推移

内海造船の過去投稿【株式投資】内海造船㈱を買ってみる?!

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・決算発表日
 2025年5月12日(月)

・対象期間
 2024年4月1日 ~ 2025年3月31日(本決算) 

業績

(単位:百万円)売上高営業利益   経常利益
2025年
3月期
44,648△3.7%1,415△55.5%1,177△61.9%
2024年
3月期
46,38323.3%3,183315.7%3,088383.9%

                                   (%表示は対前年増減率)

業績予想

(単位:百万円)売上高営業利益   経常利益
2026年
3月期
45,0001.9%700△50.5%600△49.1%

                                   (%表示は対前年増減率)

配当

(単位:円)1Q2Q3Q4Q年間配当額配当性向
2024年
3月期
1001007.5%
2025年
3月期
40406.7%
2026年
3月期(予)
404013.6%

(良)トピックス

・自己資本比率の改善
自己資本比率が22.2%から25.6%へと上昇し、財務基盤が強化されています。
今後の成長や投資余力の拡大が期待できますので、ゼロエミ船建造促進事業の補助金の力も借りて増強される工場設備に注目ですね。

・受注残高の増加
船舶事業の受注残高が前年度比4.0%増(96,621百万円→100,497百万円)となり、今後の売上は安定的に確保されていると言えそうです。
新造船25隻分の受注残がある安心感も企業としては心強いと思われます。

・環境対応・新分野への取り組み
LNG燃料フェリーなど環境性能を重視した船舶を引き渡し、企業の社会的責任(CSR)に対する取り組みが一つの成果となって表れました。新燃料船の引き渡し実績を着実に増やしていってほしいところです。

(悪)トピックス

・大幅な減収減益
売上高が前期比3.7%減、営業利益は55.5%減、経常利益は61.9%減、純利益も55.0%減と、全体的に大幅な減収減益となりました。
特に利益面の悪化が顕著であり、収益性の改善が重要な課題となっています。

・営業キャッシュフローの大幅な悪化
営業CFが前期のプラス6,747百万円からマイナス5,375百万円へと大幅に悪化しました。売上債権・契約資産の増加が主な要因のようで、売上計上済みだが未回収の売掛金や工事進行基準による契約資産が大きく増えたということですかね?資金繰り上のリスクは要注意といったところでしょう。

・配当の減額
100円から40円への減配は印象が悪すぎましたね。翌年度は更なる利益率減少が見込まれていますので、再度減配する可能性も十分に残されているのでしょうか?
業績悪化に伴う内部留保重視の姿勢ではありますが、株主還元の観点ではかなりのネガティブ材料ですね。

・収益確保への取り組み
資機材価格の上昇が続いているが、生産性の向上と固定費削減に努め、収益を確保する方針であると記載されています。収益性が悪化している現状、会社としてもこの課題を無視することはできませんね。
とはいえ、2026年3月期の業績見通しが売上高455億円、営業利益7億円、経常利益6億円、当期純利益5億円なのは弱気というか保守的というか・・・

・コストダウンと生産性向上
2工場体制(瀬戸田工場・因島工場)の強みを活かし、同型船の連続建造による効率的な生産性向上、全社的なコストダウンを徹底するとしています。
同型船の連続建造における収益性の違いが海外の造船所と日本の造船所で大きく異なる点です。
海外と比べ規模の小さい日本造船所ではしかたないかもしれませんが、常に同型船連続建造を意識した営業活動が求められますね。

・新分野・環境対応船の開発
LNG燃料フェリーや輸送船など、新燃料対応船の建造を進めており、地球環境問題への対応として省エネ船(エコシップ)の開発・設計、省エネ・環境保護活動にも全社を挙げて取り組む方針の様子。これは企業として取り組まざるを得ない課題であり、多少は身を切る覚悟が必要かもしれませんが・・・・
難しいところですね。数が出なくて個別要望が多く内装も難しいフェリーは儲からないでしょう・・・でもやらざるを得ないというジレンマ(笑)

・配当方針
安定的な利益確保と内部留保との調和を図りつつ、業績に裏付けられた成果の配分を基本方針とし、2026年3月期も1株当たり40円の配当を予定しています。
業績予想数値から悪化でもしようもんなら減配の影がチラつく怖さ(笑)

・新燃料船へのシフトと不透明感
新造船市場では重油に代わる新燃料(LNG等)への対応が進むものの、燃料調達方法など具体的な方針が定まっておらず、とくに中小船主は様子見の状況が続いています。時代の変化に柔軟に対応する必要があり、数限りある人的リソースを有効活用することが求められます。

・コスト上昇と発注控え
資機材価格や人件費の上昇により製造コストが増加し、上昇具合は落ち着きましたが継続的に船価が上昇しています。一方で運賃・用船料の水準が折り合わず、造船各社の船台も埋まっているため、船主側の発注控えもでてきています。数年先まで船台が埋まっている現状では大きな問題になりませんが、今後の受注高の推移には注目したいところです。

・景気・政策リスク
国内外の景気動向、米国の通商政策やウクライナ情勢の長期化など、経済環境の不透明感が増しており、とくに輸出関連企業は大きな下振れリスクを抱えています。為替の影響を大きく受ける造船業においても、世界の動きに関しては敏感になっておく必要がありそうです。

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今回の決算は何と言っても利益率の大幅悪化が目立っています。
売上高や受注残が多いことは一つの安心材料ではありますが、利益が残らなければ設備や人への投資、株主への還元を行うことが難しくなります。

上場企業が故に株主には特に配慮が必要なことを考えると、設備や人への還元が後回しになることも想定され、長い目で見れば企業の衰退に繋がります。ここのバランスを意識した経営を行えるかが、これから数年の内海造船には求められそうです。

『次回決算』

2026年3月期 第1四半期決算 8月上旬(予定)

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